sit in the sun | ナノ

12-5


「遅れましたすみませんでした。今後はこのようなことがないように努めます。申し訳ありませんでした。」
「てんめぇ・・・!!」
「ぶははっ映最高!」
「もう少し気持ち込めて謝れよお前。」
「いやだな宍戸、これでも精一杯謝ってるんだけど。」

案の定、跡部はものすごく怒っていた。
あーあ、そんなに怒ったら将来はげるぞ。

「何で映、越前と一緒に来てたんだ?」
「ああ、たまたまぶつかってね。」
「たまたま会ったんじゃなくて、ぶつかったんだ。相変わらず馬鹿だな。」
「うっさいわ岳人。」
「映、無視してんじゃねぇ!」
「うるさいな、間に合ったから良いじゃん。」
「てめぇ・・・!」
「まあまあ、そう怒らんで。映、おはようさん。」
「おはよう、侑士。長太郎もおはよう。」
「おはようございます。映先輩、荷物バスに運んじゃいますね。」
「良いよ長太郎!自分で持ってくよ!」
「遠慮しないで下さい。」

にこり、と笑って私の断りも聞かずに長太郎は荷物を持って行ってしまった。
バスの前には日吉君と樺地君が立っていた。
右手を挙げて挨拶すると、彼らはぺこりと頭を下げた。

「まあいい。全員揃ったな。さっさと行くぞ。」
「はーい。」

私に怒るのを諦めたのか、跡部がそう一言告げると氷帝と青学のメンバー全員がぞろぞろとバスに乗った。
・・・あれ、氷帝、全員揃った?
誰かとまだ会ってない気がしてるんだけど。

「早く乗ろうぜ映。」
「あ、ごめん岳人。」

考えてると、岳人に急かされバスに乗った。
バスに乗り込むと、前の方に青学、後ろの方に氷帝という感じでみんなが座っていた。

「映ちゃ〜ん!一緒に座ろうよ!」
「お、英二君。」
「映、お前はこっちだ。」

英二君に誘われた席に座ろうかな、そう思っていたら一番後ろに座ってた跡部に呼ばれた。

「だ、そうだ。またな菊丸。」

岳人が私の背中を押して、後ろへと向かった。
どうせあれだ、今朝の遅刻をまた怒られるんだろう。
・・・あー耳栓買っとけば良かったー。

「これが今日の予定だ。ちゃんと読んどけよ。」
「あ、うん。」




・・・ん、それだけ?




「何ぼーっとしてんだ。早く座れ、バス動くぞ。」

本当にそれだけだった。
なんだ、プリント渡すだけならバスの中じゃなくても良いのに。変なの。

「映、こっち座り。」

侑士にちょいちょいっと手招きされ、私は侑士の隣に座った。






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