sit in the sun | ナノ
01-4
「って、違うし!!」
ちがう!
そういう場合ちがう!
「うるせえよ、おい、」
いきなり、友達と離ればなれになっちゃうんだよ。
「おい、」
卒業までだって、あと1年なのに。
「おい、映」
ロッカーに漫画だって入れっ放しだし。ドラゴンボール全巻入ってるんだ!
「やだ、よ・・・何でこんな目に合わなくちゃいけないんだよ!」
あ、どうしよ。
視界がゆらゆらする。目頭熱いし。
私、泣きそう?
仁がすぐ横に居るのに。ヤダ、かっこ悪・・・。
「おい!」
ぐっと腕をひっぱられたと思うと、視界が真っ暗になった。
あれ、なんだこれ?
視界がかすんでるからか、頭がぐらぐらするからなのか?
「少しは落ち着け。」
仁の声が、耳のすぐ上から聞こえた。
なんでこんな近くから?
「・・・仁?」
いつもより少し優しい声。いつもと変わらない煙草の匂い。
あ、そうか、これって。
「少しは落ち着け。ダセェんだよ。」
私今、仁の腕の中にいるのか。
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