sit in the sun | ナノ

07-5


廊下を颯爽と走り抜ける4人の影。
青春っぽいなー。






・・・なんて、そんなわけないじゃん☆






「てめぇ待ちやがれ!」
「待てって言われて待つバカがいるか!」
「くっそ!」
「お前らの餌食になんかなってやるものか!」

絶対逃げきってやるんだ。
お楽しみ☆なんてもんになってやるか!
うおおおん!

「ちょ、映!前見て走り!そのままやと・・・!」
「うわっ!」
「ぎゃん!」






バターン・・・!






「あーあ、言わんこっちゃない。」

侑士が注意したのもむなしく終わった。
前をちゃんと見ていなかった私は、人とぶつかって倒れてしまった。

「いったぁ・・・。」
「いたた・・・わっごめんなさい!」
「て、うわっ!私の方がごめん!」

そう言うと、私は慌てて体を起こした。
そう、ぶつかった弾みで、私は彼を押し倒す形で倒れてしまったのだ。
なんて恥ずかしいことを・・・。

「大丈夫ですよ。・・・って、あれ?平塚先輩?」

え?

「あ、えっと・・・鳳君?」

ぶつかってしまった相手。それは転入初日に助けてくれた、鳳君だった。なんという運命!

「うわーまた会えたね!」
「はい、そうですね平塚先輩。」
「お礼出来てなくてごめんね。」
「全然良いですよ。気にしないでください。」

にこっと笑う鳳君。
相変わらず可愛い笑顔だなー。

「ようやく捕らえたぜ。」

し、しまった・・・。
私、逃げてたんだ。再会を感動している場合じゃない!

「ごめん鳳君!話したいのは山々だが、また今度で!」
「えっ平塚先輩!?」
「おい鳳、捕まえろ。」
「あ、はい。」

ななな何だと!?
鳳、お前もか!
お前も敵だったのか!?

「鳳君、お願いだから見逃してくれ。」
「すみません、跡部先輩の命令なので。」

そう言い終わると、鳳君は私を抱き抱えて立ち上がった。
と、待て待て待て待て!

「ななな何故お姫様だっこなのかい?」
「平塚先輩、気にしないでください。」

いや、そんな爽やかな笑顔で言われても。私だって女の子だよ?
こんなことされたら、ドキドキしちゃうじゃないか!

「なんや映、えらい素直になったな。」
「ハッ鳳のお姫様だっこに照れてんのか。分かりやすいな。」
「うるひゃい!」






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