sit in the sun | ナノ
05-7
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ちくしょう、何なんだ!
気持ちよく寝ていたら、いきなり頭をベンチに打つって。
しかも、なんだこいつは!?
いきなり俺様!?
むっきゃー頭来た!!!
「なんだと!?私はただ寝てただけじゃん!俺様って何様だよ!!」
「てめぇ、俺様のことを知らないとでも言うつもりか!?あーん?」
「知らないさ!誰だよ俺様って!鈴木さんですか?」
「てめー!!」
「なんだー!?」
互いに一歩も引かず、睨み合う。
威嚇、というのか?
しばらく火花を散らしていると、向こうがいきなり口を開いた。
「お前、名前は。」
「人に名前を聞くときは、自分から名乗るっていうの知らないの。」
また彼の顔が歪んだ。
頬がぴくぴく、と動いた。
「・・・まあ良い。俺様の名前は跡部景吾だ。で、お前は?」
「私は平塚映。」
「映か。気の強い女は好きだぜ。俺様の女になれ。」
「ぬどりゃーーー!!!!!!」
バキイッ!!!
「映様の怒りの鉄槌だ!寝てろこの尻軽!!」
跡部なんちゃらと名乗った男は殴られ、再びベンチへと体を沈めた。
こんな変なのに絡まれるなんて。
全くもってついてない!
そうイライラしながら私は振り返ることなく、校舎へと歩いていった。
「平塚映か、気に入ったぜ。」
そんな言葉がつぶやかれていたなんて、これっぽっちも知らないで。
で、何様?
王様?ふざけんじゃないわよ
(20080614/20100601修正)
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