sit in the sun | ナノ
05-6
――――――――――――――――
ん・・・。
どれだけ寝ただろうか。
まどろんだ世界から、少しずつ意識が戻ってくる。
ああ、だいぶすっきりしたな。
そう思って体を動かそうとした。
足が、重い。
まだ足に疲れが残ってんのか。
そう思って顔だけを足下に向けた。
なんだ?
「人の、頭?」
上半身を起こして、今の状況を確かめてみる。
俺の足には、女の頭がのっていた。
つまり、女が俺様の足を枕にして寝ているのだ。
「おい、起きやがれ。」
声をかけるが、全く反応がない。
「・・・。」
シュッ
ゴッ!!!
足を素早く引き抜くと、女の頭がベンチに落ちた。すごい良い音したな。
・・・むく。
あ、やっと起きやがったか。
「おいお前、俺様の足に頭のせて寝るとは、どういうことだ?」
「・・・た。」
「あーん?」
「いったーーー!!!お前何するんだ!!!!?」
「なっ、俺様に向かってお前だと!?それに何しやがんだはこっちの台詞だ!!」
こうして、冒頭の状態になった。というわけだ。
- 29 -
[*前] | [次#] | [戻る]