sit in the sun | ナノ
05-5
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「誰だ、こいつ。」
上機嫌で外履きに履き替え、昨日のベンチに行った私。
しかし、そこには既に誰かが寝ていた。
やだ、言葉遣い悪くなっちゃった☆
「ジロー・・・じゃないよね。」
そこに寝ていたのは、すごく綺麗な男の子だった。
艶のある髪の毛が、風に吹かれてさらさらと揺れる。キューティクルすご。
長いまつげが、目の下に陰を落とす。私より長いよ。
・・・。
「私のお昼寝場所がー乗っ取られたー。」
つんつん、と、彼の足をつついてみる。
「ん・・・。」
お、起きるか?
なんか色っぽい声だな。
「・・・Zzz。」
なんだよ!
起きるのかな、と思ったらすこし横に寝返りをうっただけだった。
もー全然起きる気配ないなー。・・・よっぽど疲れてるのかな。
・・・起こすのもかわいそうか。
でも、私も眠いんだよ!
寝不足なんだよ!
仁のせいで!
・・・この場所以外に知ってる場所ないしな。
「まぁ、彼の邪魔をしなければ良いだろ。おやすみなさーい。」
そう言って私は芝生に直接座り、彼の足下に空いているスペースにダラリと寄りかかって寝た。
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