sit in the sun | ナノ

05-4


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ああ、駄目だ、眠い。










「おいジロー。どっか静かに寝れる場所ねぇか?」
「ん〜?何何、跡部どうかしたの〜?」

新学期が始まって2日。
まだたったの2日、と思うかも知れねぇが、生徒会長兼テニス部部長の俺様は新学期が始まる前からずっと準備で駆けずり回っていた。
睡眠時間も削って、今後の予定やなんだかんだを1人で組んでいた。
そんな生活が祟ってか、今日は朝から体がだるい。
このままじゃ、放課後の部活まで引きずるかもしれねぇ。
だが、部長としてそれは立場が無い。

「ちょっと仮眠取っときてぇんだけど、部室も屋上もうるさくて寝られねぇ。」

全く、サボるなら違うとこ行けってんだ!
だけど、ああいう所は時々先生の見回りが来て、見つかったら面倒なんだよな。

「それなら、良い場所あるC〜!」
「良し、教えろ。」
「え〜、ずっと跡部にも見つからないから、サボるのに良かったのに〜!」
「てめぇ、校庭何週走りたいんだ、あーん?」
「分かったよ〜教えるよ〜!」

初めっから素直にそうしてれば良いんだよ。
あー駄目だ、体がだるい。
女子の黄色い声が、いつも以上に頭に響く。
・・・うるせえ。

「・・・で、この茂みの奥ね。って、聞いてた跡部?」
「ああ、分かった。じゃあなジロー。」

一刻も早く、この耳障りな声から遠ざかりたい。
その一心で、俺はジローに教えてもらった場所に向かった。
授業が始まったからか、途中から廊下で生徒にすれ違うこと無く昇降口を出た。

「ジローはこんなとこにいつも隠れてやがったのか。」

ジローの言う隠れ処?は、思ったよりもテニスコートのすぐ近くにあった。
俺様としたことが、こんな場所を見逃すなんて。
って、今はどうだって良い。
ひとまずこの煩わしい頭痛を取るために、俺はベンチの上へ、横に倒れた。
これからあんな事が起こるとは思わずに。






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