sit in the sun | ナノ

04-6


―――――――――――――――


「じーろーうー見つけたでー!!」
「ん〜、あ、忍足だ、おはよう〜。」
「おはようちゃうで!どれだけ探したと思うん?跡部めっちゃカンカンやで。」
「え〜そうなの〜?」

忍足君に突然捕まり芥川慈朗の居場所まで案内すると、彼はジローの体をめっちゃ揺すりながら叫んだ。
どうやら、彼は部活かなにかをさぼってここでお昼寝をしていたみたいだ。・・・それは怒られるね。

「それに平塚さんにまで迷惑かけとるし。ちゃんと謝っとき。」
「あ、私は全然良いよ。先に彼のお昼寝場所取っちゃったの私だし。」
「あ、映もいる〜。おはよ〜。」
「おはよう、あくた「ジロー。」・・・ジロー。」
「ほんまジローが迷惑かけてすまんな、平塚さん。」
「あれ、忍足映と知り合いなの〜?」
「平塚さん、今日うちのクラスに編入して来たんや。」
「あ、だから見たこと無かったんだ〜。」

えへへ〜とまた笑うと、ジローは私の背中に乗って来た。
え、何何!!?

「ちょ、え、えぇ!?」
「こら、ジロー!」
「ん〜映暖かいC〜。」

えー!!?
待て待て待て!
なんでそこで私がおんぶなんだ!?
逆だろう普通!
てか、女の子が男の子の体重支えられる訳がないじゃないかー!

「つ、潰れる・・・!」
「いい加減にしい、ジロー。」

そう言うと、忍足君がベリっと私の背中に付いていたジローを剥がしてくれた。

「やだやだ〜!映が良いC〜!」
「ほんま、怒るでジロー。それになんで平塚さんのこと自分呼び捨てなん?平塚さんも嫌やったらちゃんと嫌って言わなあかんで?」
「あ、ううん。私は全然良いよ。そっちのほうが親しい感じでうれしいし。」

そうなん?と忍足が言い、ほら〜良いんだよ〜とジローが言った。

「・・・ほなら、俺も映って呼んでもええ?俺のことも侑士でかまへんし。」
「ん?もちろん良いよ。」

そう答えると、おおきに、と綺麗に笑った。
その笑顔に、一瞬、ほんの一瞬ドキッとした。
う、その顔は反則だ・・・。

「ほな、また明日な。映。」
「うん、また明日侑士。」

いつのまにかまた侑士の背中で寝てしまったジローを負ぶさりながら、彼は歩いていった。

「なんか色々あったけど、良い1日だったかな。」

新しい友達も出来たし、良い昼寝場所も見つけたし。
明日からまた、楽しくなりそう!
そう笑いながら小さくなった彼らと傾いた太陽に向かって、右手で大きくさよならをした。









それは太陽色
掌に残る、柔らかな手触りと光




(20080610/20100601修正)

- 23 -

[*前] | [次#] | [戻る]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -