sit in the sun | ナノ

29-5


「ぎゃあああぁぁぁ!!」






「な、何だ何だ!?」
「何だ今の叫び声は!?」

突然響き渡った叫び声に驚き、部室へと流れ込むように入ってくる青学テニス部のレギュラー人。
そしてそこには、眼鏡をキラリと光らせて立つ乾君と、床にベタリと倒れ込んでいる平塚映こと私の姿が。

「平塚さん!?」
「え、映ちゃん!!?」

先頭に立っていた大石君と続いて入ってきた英二が私の姿を確認してそう大きな声で叫んだ。

「何があったんだ乾!」
「映ちゃん、大丈夫?」

後から入ってきた手塚君が大きな声で乾君に問いただし、不二君が私の横にしゃがみ込んで起き上がれる?と言ってそっと手を差し出してくれた。

「で、何があったんだ?」

不二君の力を借りて近くにあったソファーになんとか寝転ぶと、手塚君が眉間にいつも以上に皺をよせてそう乾君と私に言った。

「あ、あれを・・・」
「あれ?」

私が指差した方向には、ひとつのコップ。
そしてそこには・・・

「な、なんすかこの液体・・・。」
「色があり得ないピンク色してるにゃ・・・。」
「先輩、これ飲んだんすか?」

越前君の問いかけにうんと頷くと、うわぁ・・・と何とも言えない声が周りから聞こえた。

「乾、これってもしかして・・・」
「新しい乾汁だよ。平塚さんに試飲してもらったんだけど・・・どうだったかな?」
「私、飲み物で体が痺れるとか初めてだったんだけど。」

そう言うと、そうか参考になったと言って何かをノートに書いていた。
何がどう参考になったのか、私にはさっぱりです。

「しかし、何をどうしたらこんなピンク色に・・・。」
「あぁ、材料と調合法はここに書いてあるが。見るか?」

そう言って河村君にノートを差し出す乾君。
それを河村君は慌てて、いや良いよと言って断っていた。
平塚さんも見たいかい?と言われたので、いいえ結構ですと丁寧に断っておいた。
あーそれにしても、体が痺れて動けない・・・。
おまけになんか気持ち悪い・・・おえぇ。

「平塚、すまないな。」
「いや、手塚君が謝る事はないって。」
「乾には俺から良く言っておく。気分が良くなるまでそこに横になって休んでいてくれ。」
「あ、ごめん。それじゃあお言葉に甘えて・・・。」
「他のものは練習に戻るぞ。」

手塚君の一言に、はいとみんなが返事をして部室を出て行った。
最後に部室を出て行く手塚君が乾は校庭20週だ、と言った声が聞こえた。
・・・乾君、ファイト☆
まあ、自業自得だよね!はははは!
あ、やば、また気持ち悪くなってきた・・・。






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