sit in the sun | ナノ

28-4


「あれ、跡部。」
「あ?なんだ、お前か。」

誰も居ないだろうと思って開けた部室。
だけどそこにはソファーに座りながら雑誌を読む跡部の姿があった。

「何で居るの?」
「それは俺の台詞だ。」

そう言う跡部に、次の試合まで結構な時間空いてて暇だし疲れたから休みにきたと答えた。
あ、そうそう。ちなみにさっきの宍戸のクラスとの試合は見事うちのクラスが勝ちましたよー!
良くやった侑士!
あ、ちなみにジローは宍戸にものすごく怒られていました。さすがに試合中に寝るのは、ちょっとまずかったかねぇ。
そんな事を考えていたら、部室は休憩場じゃねぇと跡部に返された。
いやだってさ、ゆったり横になれるソファーとクーラーと冷蔵庫が揃ってるんだよ?
もう休憩場として最高の環境なんだもん、しょうがないって。

「そう言う跡部だって部室で休んでんじゃん。てか球技大会は?」

跡部のクラス、確か今試合中じゃなかったっけ?

「出てねぇよ。」
「えっ!何跡部球技大会サボってたの!?」
「別にサボりじゃねぇよ。だいたい球技大会は自主参加だろ。」

そう言って雑誌にまた目を落とす跡部。
確かに球技大会は自主参加ではあるけど、サボるとかどうなのそれ?
うちのクラスも最初何人か嫌そうだったけど、せっかくの思いで作れる行事なんだから!って言ったら全員参加してくれたし。

「んな単純じゃねぇんだよ。」
「は?何それ。」

そう言うと、別に、とだけ言って黙り込んでしまった。
・・・?意味が分からない。

「とにかく、今からでも行こうよ。まだ試合終わってないはずだし。」

そう言ってぐいと跡部の腕を掴む。
すると、離せと言って振り払われてしまった。

「何、その態度。」
「うるせぇ。」

それだけ言って雑誌から顔を上げようとしない跡部。
何かイラッっとするな・・・。

「じゃあ、勝負しよう。私が勝ったら、球技大会に戻る。」
「・・・俺が勝ったらどうすんだよ?」
「跡部の命令なんでもひとつ聞くよ。」
「ふん、面白い。」

そう言うとニヤリと笑い、今までずっと雑誌に固定されていた顔をようやくあげた。

「で、何の勝負すんだ?」
「勿論・・・」






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