sit in the sun | ナノ
27-2
「ゲームアンドマッチ、氷帝跡部!」
ゲームは跡部の圧勝で、あっという間に終わった。
それこそ、私が眠りに落ちる時間さえも与えない程あっという間に。
相手の選手が弱かったわけではないと思う。
むしろ彼は跡部のことを良く調べていて、所々嫌なところを突いてきたりもした。
だけど、それ以上に跡部は強かった。
相手の選手を少しも寄せ付けもしなかった。
これが、氷帝の頂点に立つもののテニス、か・・・。
「んだよ、アホ面でボーッとして。」
「・・・やっぱり今の全部無し。」
せっかく人が珍しく感心してやってたのに、なんだその台詞!?
アホ面だと!!?
ムカつく!
「ねぇ跡部〜試合終わったのに帰っちゃ駄目なの?」
バックを担ぎながら眠そうな目で尋ねるジロー。
というかジローはあんな短時間だった跡部の試合でさえ、ぐっすり眠っていた。
1、2、3、ぐう。って感じで。
・・・の◯太かお前は!
「駄目だ。表彰式まで待て。」
「え〜その表彰式って何時?」
「さぁな。決勝終わった後だろ。」
さも興味なさそうに言う跡部。
そう言えば準決勝はどうなったんだろう。
確かうちに勝った不動峰は山吹とだったな。
・・・仁、試合に出てるのかな。
「じゃあ、お昼ご飯食べに行こ〜。」
「そうだな・・・。行くぞ、樺地。」
「ウス。」
「「ウス!」」
「お前らうるせぇ!」
いや、跡部の方が絶対五月蝿いっての。
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