sit in the sun | ナノ

26-7


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「・・・。」
「・・・。」


映、すげぇ勢いで走ってったな。
そんなに石が見つかったのが嬉しかったのか。
外ではこれだー!ありがとう岳人ー!と叫ぶのが聞こえた。
・・・俺たちも外へ行くか。そう思ったとき、ジローが伸びをしながらこちらに話しかけてきた。

「ん〜、思わぬところに強敵って感じ?」
「・・・何がだ。」
「また〜そんなこと言って。跡部も思ったでしょ?」
「だから、何がだ。」
「だから〜、」




「            。」




じゃあ、先に外行くね〜と笑いながら去って行くジロー。
俺はその後姿を呆然と眺めていた。
今、ジローのやつ何て言った?




『亜久津が、羨ましいなって。』




「俺様が、亜久津を?」

羨ましい?

「ハッ、馬鹿げてやがる。」

誰に言うわけでもなくひとり呟いて倉庫を出る。
外では石が見つかって喜ぶ映と、それを囲むみんなの姿。
なぜだか俺は、その光景から目を逸らしたくなった。ガラス玉ひとつを、ものすごく大切にする映から。
だけどその一方で、嬉しそうに笑う映から何故か目を離せなかった。









これは何だ?
何で俺は今、こんなに苦しいんだ?




(20090324/20100601修正)

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