sit in the sun | ナノ

26-3


「・・・で、ピアスに付いとった蒼い石が今鏡見たら無くなっとった、と。」
「うん・・・。」

跡部に怒鳴られ仕方なく全部を話し終わると、そっかと心配してくれる声とハァと呆れた声が聞こえた。たぶん、呆れた声は若と跡部だ。間違いない。
くそう、まだ引っ張られた耳が痛い。
跡部め・・・絶対やり返してやる。目には目を、歯には歯を。
汝右頬を叩かれたら相手の左頬に三倍返しだ!

「それで、いつ無くなったとか全然分からないんですか?」
「全然・・・。」

部活前には、確かまだあった気がする。
髪の毛を結ぶ時に、ちらっと蒼いのが見えた気がするから。
だけどその後は全然分からない。
今日は真面目に仕事してたからなぁ。あ、いや何時も真面目だけど。
・・・あぁ、いつ無くしたんだろう。

「そんな落ち込まないで映。とりあえず手分けして探そうよ。ね?」
「萩・・・。」

ぽんぽん、と優しく肩を叩く萩。

「絶対見つかりますよ。」
「あぁ、だからんな暗い顔すんなって。」

にっこり笑って励ましてくれる長太郎と、宍戸。

「全く、仕方がありませんね・・・。」

はぁとため息を吐きながらも協力しますよと言ってくれる若。

「一緒に探してやるからオムライス奢れよ!」
「俺はパフェがE〜!」

そう言って背中を叩く岳人とジロー。

「しょうがねぇ、暗くなる前に見つけるぞ。」
「ウス。」

お前らはコート、お前らは部室、お前らはコート裏に行けと的確に指示をだす跡部。そしてそれに返事をする樺地。
みんな・・・。

「じゃあ、コート裏探そか。」

絶対見つけたる、そう言って侑士は微笑んだ。
あぁもう、今すっごく嬉しい。

「みんな、ありが「あ、俺もアイスが良いな。」


・・・ん?


「萩、ちょっとま「俺は普通に腹減ったからパスタ。」
「いや、何で「あ、良いですね。俺も宍戸さんと同じで。」
「ま「俺は丼物が良いです。」
「俺オムライス!」
「俺パフェ!」
「俺様の口に合うもんが到底あるとは思えねぇが、映の奢りなら我慢してやるか。」
「はーーー!!?」

いや待て、何でみんな食べたいもの言ってるの?
しかもなんで全員私に奢ってもらえる前提で言ってるの!?
おかしいでしょ!?無理だよ!
第一みんな私よりお金持ちでしょ!?
庶民の私にたかるなよ!

「じゃあ、一番に見つけたやつが奢ってもらえるっちゅうんはどや?」
「・・・まあ、ひとりくらいなら・・・って、早ー!」

私が頷くとともに一斉に石探しを始めるみんな。
ちょっと、何その早さ!?
さっきまでやる気なさそうだった若もじゃあ俺コート行きますとか言って走ってくし、跡部も何か張り切って指示だししてるし。
はいーーー!!!!?

「さ、俺らも探すで!」

にっこりと笑って私の背中を押す侑士。
あぁ、そうかい。そう言う事かい。
くそう、喜んで損したー!






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