sit in the sun | ナノ

23-4


「跡部〜、本当にこっち?」
「うるせぇ、黙って探せジロー。」
「だって何処にも居ないC!」
「くそくそ!あいつらどこいったんだよ!」

結局なかなか帰ってこない2人を探しに出た氷帝のみんな。


と、俺。


何で俺まで一緒に探してるかって?
・・・何でだろ。
まあ、映ちゃんに会えるならいっか!

「なあ、結局映と亜久津はどういう関係なん?」

一緒に探していると、突然忍足君が話しかけてきた。

「何、気になるの?」
「・・・まぁ、な。」

・・・ふーん。
なんか、つまらないなぁ。






「亜久津は映ちゃんの彼氏だよ。」






ちょっぴり意地悪をしてみた。
だって、面白くないんだもん。
映ちゃんの通ってた学校が潰れて転校したってことは知ってたけど、それが氷帝で、しかも男子テニス部のマネージャーになってるなんて。



つまらない!なんで山吹に来なかったの!




「それ、本当か?千石。」

忍足君にだけ言ったつもりだったのに、気付いたら氷帝のみんなが俺を見ていた。
まるで、そう。


・・・。


・・・あれ、なんて言ったっけ。
ま〜めが欲しいかそ〜らやるぞ〜じゃなくて・・・

「鳩が豆鉄砲食らったみたいとでも言いたいのか?」
「あぁ、それそれ!さすが跡部君!」

そう、まさしく鳩が豆鉄砲食らったみたいに、みんな間抜けな顔をしていた。
・・・え、何これ?
君達、そういうことなの?

「言っとくけど、映ちゃんはあげないよ。」

ちょっとムッとして、なんだかおもちゃを必死に守る子供みたいな言い方になってしまった。
でも俺の方が、君たちよりずーっとずーーっと前から映ちゃん好きなんだから!
そんなまだ仲良くなって数ヶ月のお前らなんかに、取られてたまるか!

「・・・んでお前が言うんだよ、千石。亜久津が映の彼氏なんだろ?あーん?」


・・・あ。


やだ、俺ってばドジ踏んじゃった☆
速効でばれたよ。意地悪した意味ねー。
ま、面白い反応と顔は見れたから良いけど♪

「だってさっきの嘘だし。亜久津は、映ちゃんのただの幼なじみ。」

そう言えば、何人か明らかにほっとした表情を浮かべた。
・・・ま、誰かはあえて言わないけど。

「なんや、ビックリさせんといてぇな。」
「くそくそ!紛らわしい嘘つくなよ!」
「あはは、ごめんごめん。」
「下らねぇこと喋ってないで、さっさと探すぞ。」

そう言って、またさっさと歩き出した跡部君を先頭に映ちゃんを探し始めた。




下らないこと、ねぇ。




君が一番、眉間にしわ寄せて怖い顔で睨んできたくせに、ね。






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