sit in the sun | ナノ

23-3


―――――――――――――――


「「「・・・。」」」

その場に居た氷帝のメンバーも山吹のメンバーも、誰ひとり動いてない。
まぁ、そりゃそうか。
亜久津はインパクト強いからね!怖いもんね!うんうん。

「あれ、千石先輩!いつ戻って来たですか?」
「やあ太一、ただいま。」

ようやく俺の存在に気がついてくれたのか、山吹のみんながこっちに注目する。
もう、気付くの遅いよ〜。

「おい千石、お前何処行ってたんだよ!いくら第3試合が不戦勝で無かったからって、うろうろするなよ。」
「南ちゃん厳しいな〜。ちょっと可愛い子探してただけだって!」
「なんでも正直に言ったら良いってもんじゃないですよ、千石さん。」
「やだ、室町君まで厳しい!あと・・・君君、そろそろ下ろしてくれないかな〜。」

そう言って、下の彼をツンツン突いてみた。
なんだかんだ言って俺、未だに巨人君に担がれたままなんだよね!
これ、ものすごく喋りにくいんだよね!

「おい樺地、」
「いや〜、助かっ「そいつを下ろすんじゃねぇぞ。」
「ウス。」
「っえー!!?」

何そのフェイント!?
え、何で!?何で下ろしてくれないの!!?

「テメェには聞きたい事があんだよ。」
「それ、下ろしてからじゃ・・・」
「さっきのやつは誰だ?」

無視ですかーそうですかー。

「さっきの彼は、亜久津仁。」

素直に話すのが一番手っ取り早そうだ。
そう思って俺は跡部君たちに話はじめた。

「亜久津仁・・・?聞いた事ねぇ。」
「2ヶ月前伴爺が突然連れて来たんだ。シングルスのレギュラーだよ。」
「ハッ、まあ山吹はダブルスだけであがってきたようなもんだからな。見た目だけでも怖そうなやつを引き抜いたってわけか?」
「言うね〜跡部君。亜久津のプレーを見たら、そんなことも言ってられないよ。・・・跡部君よりも、強いかもよ?」
「ほう・・・言うじゃねぇの、千石。」

跡部君がニヤリと、なんか悪者みたいな笑みを浮かべた。
・・・俺、ちょっと言いすぎた?でもほんとの事だし。




あんまり亜久津を舐めてかかると負けるよ、跡部君。
テニスも、その他も、ね。




「おい、そんなことより跡部!映助けに行かなくていいのかよ!」
「そうですよ!あんないかにも怖そうな人に連れて行かれちゃって・・・!」
「あ、それは大丈夫だと思うよ。たぶん。」
「たぶんって何だよ!ていうか何でお前がそんなこと言えるんだよ!」
「岳人、少し落ち着きぃ。」
「おい千石、その確証はどっから出てくんだ?あーん?」
「え、だって攫われたの、あの映ちゃんだし。」




「「「ーーーあぁ。」」」




あれ、納得されちゃった。






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