sit in the sun | ナノ

23-2


「・・・で?」
「は?」
「は?じゃねぇ!」
「いたっ!いきなり叩くなよ!」

無理矢理連れ出しといて第一声が「で?」って。何じゃそりゃ!
それで「は?」って返したら叩かれるし。
理不尽だ!

「何でテメェが此処に居るんだ。テニスの都大会、しかも男子会場に。」
「え、だって私男子テニス部のマネージャーだもん。」
「はぁっ!?んなこと聞いてねぇぞ!」


ギャーーーー!!!


「痛い怖い痛い!ちょ、マジで苦し・・・!」

バシバシと仁の肩を叩くと、舌打ちとともに捕まれていた襟首が放された。
あー苦しかったー。
なんで今日はこんなに不機嫌なわけ?
妙に苛立ってて怖いんだけど。
・・・なんかあったのか?

「ったく、道理で最近またテニスがしたいだなんて言いだしたわけかよ・・・。」
「え?何だって?」
「んでもねぇよ。」

何だよ、言いたい事はちゃんと聞こえるように言いなさいよね!
なんて、今は怖くて言えませんが!

「それより、仁こそ何で居るのさ。」

そうだよ、何で仁がここに居るんだよ。
それこそおかしいじゃん!
しかも山吹のジャージ来てるし。
・・・まさか。

「仁も山吹のマネージャーに・・・?」
「んでそうなるんだよ!!」
「え?違うの?」
「普通に考えてチゲェだろ!馬鹿かテメェ!?」
「んな!馬鹿って言ったなー!」
「あぁ、言ったぜ。この馬鹿が。」

ムッキーーーー!!
馬鹿って言った!しかも2回も!
仁のくせに!仁のくせに!!


畜生、しばらくモンブランお預けだ!


「・・・おい、」
「何!?」
「・・・何でもねぇ。」
「はぁ!!?」
「オラ、戻るぞ。」

そう言ってさっさと歩き出す仁。
・・・はい?
勝手に連れて来て、勝手に戻るってか!?
もう意味が分からない!!

「ちょっと、待ってよ!何なのよ!」
「うるせぇ。」
「はぁ!?もう分けわかんない!」
「・・・今更、辞めろっつっても辞めねぇだろが。」
「え!?何て!!?」
「んでもねぇ!」






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