sit in the sun | ナノ
22-6
「・・・で、俺様が試合している間に何してんだテメェは。」
「・・・ごめんなさい。」
「誤って済む問題だと思ってんのか?あーん?」
「・・・すみませんでした。」
「大体、なんで背負い投げなんだよ。お前もう少し自分が女ってこと自覚しとけ。」
「こんのぉ・・・大人しく聞いてりゃ調子乗りやがって・・・!」
「まあまあ。跡部もそこらで堪忍したりぃ。映やって悪気あったわけやないし。な?」
「ゆ、侑士ぃー。」
「あーよしよし。」
そんな優しい言葉をかけてくれるのは侑士だけだよ。君の相棒はずっと笑いっぱなしだけどね。
やっぱり侑士は良いやつだー。
「で、どうするんですかこの人。」
日吉の一言でみんなが下を見る。
未だにのびたまま目を覚まさない千石を。
「・・・山吹に返しに行くしかねぇんじゃね?」
「まあ・・・そうやなぁ。」
宍戸の意見に、みんながうんうんと頷く。
・・・そうだよねぇ、それしかないよね。
「仕方ねぇ・・・おい、樺地。」
「ウス。」
そう言うと、樺地がひょいと千石を担ぎ上げた。
そして、山吹中のいる会場まで行くことになった。何故かレギュラー全員で。跡部は私だけで良いって言ってたんだけどね。
「だって、面白そうじゃん?」
「・・・どういう意味かね岳人。」
別にーってにやにや笑いながら言うから、お返しに岳人の髪の毛をぐしゃぐしゃにしてやった。へっへんだ!
「オラ、着いたぜ。」
そう跡部が顎でさす先には、山吹中の選手達。
ど、どうしよう・・・私、千石以外知らないんだよね。千石はたまたま仁と一緒にいたから知ってるだけだし。
うわー緊張する!
「・・・あのさ、跡部が行ってくれたり・・・」
「あーん?」
「しませんよねー。はーい行ってきまーす。」
くそー!そこは優しくフォローしてくれたって良いじゃんかー!
あぁどうしよう・・・でも言いに行かなきゃ。
せめて話しやすそうな人に声かけよ。
・・・。
・・・。
どうしよう!
なんかサングラスかけて色黒な人とか、頭の上に葉っぱつけてる人とか、頬にうずまき書いてある人とか、地味な人達とか!
すごく不思議な人達ばかりなのですが!氷帝に勝るとも劣らないぐらい不思議な人達ばかりなのですが!
あーどうしましょー。
「せんぱーい!」
と、そこに小さくて可愛らしい男の子が遠くから走ってきた。おや、あの子も山吹の選手なのかな?
「ダダダダーン!見つけたです!呼んで来たです!」
「あぁ、お疲れさま檀君。」
「いえいえ、マネージャーの仕事をしただけです!」
・・・よし、彼にしよう!弱そうだし!
「あのぉ・・・!」
ドンッ!
「ギャッ!」
どたーん・・・!
「・・・何してんだあいつ。」
「走ってって人にぶつかったみたいやな。」
「・・・激ダサ。」
「プッ、まじ映最高・・・!」
あのね君たち、せめてもう少し小さい声で喋ろうよ。
丸聞こえだよ。てか、隠す気ないでしょ。
「イッテェな・・・よそ見してんじゃねぇぞテメェ!」
普通さ、女の子にぶつかったらまず「大丈夫?」とか優しく問いかけて、そんで手を差し伸べてくれるもんじゃない?
なのにこのぶつかってきた男、いきなり第一声によそ見してんじゃねぇぞテメェって!
頭くるなぁ!こっちだって痛いんだ!
「その言い方ってあんまりだと思うのだけど!てかそっちこそよそ見してんじゃ・・・!って、え・・・?」
う、嘘・・・!?
「「なんで(仁/映)がここに居る(の/んだ)!!!?」」
大事なことなのでも一度言います
なんで仁がここに居るの!?
(20090104/20100601修正)
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