sit in the sun | ナノ

21-5


「で、次はこの部屋に来たん?」
「そーでーす。」

先ほど受けたショックをズルズルと引きずりながら、次は侑士と岳人と宍戸の居る部屋へやってきました。
途中ちょっぴり迷子になったけど。無駄に広いからねココ。宮殿だし!ぷぷっ!

「しかし、長太郎もああ見えて結構毒舌なんだなー。」
「うう、そうなんですよ岳人さん・・・。お母さんはもう悲しくて悲しくて・・・。」
「誰がお母さんやねん。」
「あなたがちゃんと教育に協力してくれなかったからよ!」
「俺が父親かよ!?」
「父親がそんな女の人みたいに長い髪の毛だから、長太郎がぐれちゃったのよ!」
「関係ねぇだろ!!!」

あらやだ、宍戸がキレた。
全く、冗談の通じないやつだなー。少しはのってくれたって良いじゃん。
短気は頭禿げるぞ☆

「なあなあ、宍戸が夫で長太郎が息子なら、俺は俺は?」

何やら岳人がキラキラした目で見てきた。
なんだ?自分もこの勝手に家族設定☆で例えて欲しいのか?

「んーそうだなぁ、岳人は・・・元気すぎてうるさい甥っ子?」
「う、うるさい甥っ子!?」
「そんで侑士が岳人のお母さんで、私の良き理解者である姉。」
「えーこないに跳ね回る子供は嫌やわ。」
「クソクソ!俺だって侑士の息子なんて嫌だぜ!」

あ、あら?結構いい設定だと思ったのにすんごい嫌がってる。
ダブルスなのにこの2人、あんまり仲良くないのかしら。

「いや、そういう問題じゃねぇだろ。」
「そうなの?」
「フー、まぁええ。で、他の4人は何なん?」
「んーそうだなー・・・若は宍戸の妹で、口うるさい小姑。」
「俺の妹かよ・・・。」
「ジローは・・・ペットの猫。」
「人間ちゃうし。」
「んで、樺地は優しいお義父さんで、跡部が嫁をいびり倒すお義母さん(姑)。」
「あははっ!跡部が姑って、似合いすぎ!」
「でしょ!?やっぱ思うっしょ!そんな姑に日々虐められる、いたいけな嫁(私)。」
「いたいけて。十分反抗しまくっとるやないか。」
「だって夫が弱くて何も言ってくれないんだもん。」
「俺かよ!?てかその設定でいくと、俺は樺地と跡部の子供・・・!?」
「・・・まぁ、そういうことになるんやない?」
「うわーぜってぇ嫌だ!」
「俺様も、テメェみたいな息子はごめんだぜ。」
「って、え!?跡部!!?」
「「「えぇっ!!!?」」」

宍戸が盛大に振り向いた方を見れば、そこには確かに跡部が。
う、うわー、なんか扉に寄りかかって腕組んでいかにも不機嫌そー。
も、もしかして今の会話、全部聞かれてたわけじゃ・・・




「最初から全部聞かせてもらったぜ。」




聞かれてたー!!




「あ、あのね、これはあくまで、妄想の世界の設定なわけで・・・。」
「テメェが俺様のことをどう思ってるか、よーく分かったぜ。」
「だ、だからね、その・・・。」
「言い訳はたっぷりと聞いてやるよ。来い!」
「あだだだだだだ!!」

腕を乱暴に引っ張られて行く私。
ちょ、侑士や岳人や宍戸は!?みんなだって面白がってたのに、私だけって酷くない!?
みんなも同罪なんだから、少しはフォローしたりだとか・・・

「激ダサだぜ。」
「ほな、頑張ってな。」
「無事を祈ってるぜー。」
「こんの薄情ものーーーー!!!!」






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