sit in the sun | ナノ

21-3


「畜生、さっきのは許さんぞ・・・。」

殴られたところをさすりながらギロリと跡部を睨んでみる。と、フンッと鼻で笑われた。
こ、こんのぉ・・・!

「まあまあ映、落ち着いて。はい、あーん。」
「ムグッ!」

開いていた口の中に間髪入れずにムースポッキーを突っ込むジロー。
ってあぶなー!口だけじゃなくのどの奥にまで入るとこでしたよジローさん!
・・・そうか、ムースポッキーは凶器にもなるのか。勉強になったよ。

「あ、でもこのポッキーおいしい。新発売の?」
「うん、そうだよ〜。おいしいよね!」
「良いなー私も買ってみよ。」
「おいお前ら、黙って勉強しろ。」

チッ何だよ、別にちょーっと喋っただけじゃん!意地悪跡部!

「なんか文句でもあんのか?」
「別にー。」

そう言うと英語の問題集に視線を戻した跡部に、私は思いっきり舌を出した。ベロベロベーだ!
だいたいさ、なんでこの組み合わせなわけ?
人数多いからグループ分けして勉強ってのは分かるよ。
2年生3人が一緒ってのも分かるよ。
だけど、なんで3年生が私とジローと跡部組と、侑士と岳人と宍戸組に分かれるの!?

「馬鹿2人の勉強を俺様が直々に見てやってんだ。何か文句でもあんのか?あーん?」
「大ありだ!お前の教え方いちいち偉そうでイラッとすんだよ!」
「(馬鹿には突っ込まないんだ)」
「フンッ当たり前だろ?偉いんだから。」

ッキー!!
ほんとムカつく!!
なんだこの何様俺様跡部様は!?
少し勉強出来るからって威張るなよ!

「ほう、学年首位の俺様に向かって大層な物言いだな。」
「が、学年首位!?」




コイツが学年首位!?嘘だ!!?




え、だって跡部ってテニス部部長はもちろん、生徒会長でもあるんでしょ?
それで学年首位もって・・・。






「裏金積んでんじゃ・・・?」
「んでそうなんだよ!!?」
「いや、跡部家の財力に物言わせれば、それくらい出来るかなーと。」
「しねぇよ!実力だ実力!」
「・・・ふーん。どう思いますかジロー・・・って寝てるし。」
「・・・はぁ。」

大きなため息をひとつ吐くと、跡部が立ち上がった。
何、やるかのか?

「用足してくるだけだ。言っとくが、逃げんじゃねぇぞ。」

そう言ってバタン、と大きな扉が閉まった。




・・・逃げるなと言われると・・・逃げたくなるじゃないねぇ?






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