sit in the sun | ナノ

19-5


「地区予選の日程表と対戦表だ。しっかり目通しとけ。」

そう言って跡部からプリントを渡された。
あぁそうか、もうそんな時期か・・・。

「ってあれ、レギュラーは宍戸と樺地君と跡部しか出ないの?」
「あぁ、レギュラー全員は関東大会まで出ないぜ。」
「へー。すごい自信だね。」
「アン?当たり前だろ。」

そう言ってニヤリと笑う跡部の顔は、自信に満ちた帝王そのものだった。

「あと一つ。」
「え、まだあるの?」

ふーっとため息をついて跡部越しに窓の外を見ると・・・そこには見知った人影。
白い学ランに、白髪。




間違いない、仁だ。




まずい、まずいぞ!
仁、待ち合わせで待つとか出来ない子だからな・・・。
あ、ほら携帯鳴ってる。たぶん仁からの電話だろう。

「・・・と言うわけだ。日曜日空けておけよ。」
「へっ?」

仁の方ばかり気にしてたせいで、跡部の話を全然聞いていなかった。
日曜日がなんちゃら?

「映、聞いてなかったのか?」
「ううん、聞いてたし!バッチリ日曜日ね!」
「は?って、おい待て!」
「サラバ!」

それだけ叫ぶと、生徒会室から逃げ出した。
これ以上長引かせたら危ない!
私の命が危ない!
話はまた明日にでもちゃんと聞こうっと。




裏門に走っていくと・・・仁が今にも煙草を吸おうとライターを出したところだった。
あれ、イライラしてる証拠だな。
電話にも出なかったのがいけなかったか・・・。
しかーし、ここは氷帝です!
煙草を吸わせるわけにはいきません!

「仁!ここで吸うなよ!」

思いっきり叫べば、仁は口にくわえていた煙草を大人しく箱にしまった。
・・・そうとう怒ってる?

「遅れてごめん。」
「おっせぇんだよ。」
「ごめんごめん。」
「わざわざ俺がこっち来たのになんで待たなきゃなんねぇんだよ。」
「だから、ごめんて。」
「電話も出ねぇし。どういうつもりだ?」
「だから、ごめんって言ってるじゃん!モンブラン連れていかないよ!」
「・・・わりぃ。」
「分かればよろしい。じゃあ行こうか。」
「って、何で俺が謝んなきゃいけねぇんだよ!」






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