sit in the sun | ナノ

19-4


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物凄い勢いで帰り支度も終えて、裏門に向かっていたはず、だったのに。




何故か私が今居るのは、生徒会室の扉の前。




あぁもう、あのスカーフめ!
そう、ちょうど教室を出て廊下を歩いていたところを榊監督に捕まってしまったのだ。


〜以下回想〜


「跡部にこの資料を届けてくれ、私はこれから職員会議があってな。」
「あ、いや、私今日急ぎの用が・・・」
「行ってよし!」
「はいー!?」


〜回想終了〜


全く、あの監督って人の言うこと完全に無視してるよね。
おかげで私は跡部のクラスまで行き、入れ違いで生徒会室に行ったと聞かされ、現在に至るわけだ。
よし、さっさとこのプリント渡して帰ろう。
まだ仁着いてないみたいだけど、待たせたら何するか分からないし。
そう考えながら、軽く扉を叩く。
すると中から入れ、という声が聞こえた。
この声は間違いなく・・・

「なんだ、映か。」

立派な生徒会室の中でも一際立派な椅子に座りながら、私の探していた相手である跡部がそう言った。
てか、なんだこの部屋!?
置いてあるソファーもインテリアも、素人の私から見ても高そうと分かる物ばかりだ。
うわー、なにこの革張りの椅子・・・。

「おい、何の用だ。」
「あ、ごめんごめん。監督から預かり物です。」
「あぁ。」

ふと、跡部の背後にある窓の外を見ると裏門が見えた。
・・・あ、ここから見る限り仁はまだ来ていないみたい。あー良かったー。

「じゃ、それで。さよなら。」
「おい、待ちやがれ。」

足早にその場を去ろうとすると、跡部に引き留められた。

「何、私急いでるんだけど。」
「暇人のてめぇが忙しいわけねぇだろ。」
「んなっ!?」

きームカつく!
こっちは本当に予定があるんだ!
破ったらあとが恐いんだぞ!
モンブランの恨みは本当に怖いんだぞ!






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