sit in the sun | ナノ

17-5


「まあまあ、そない落ち込まんと。」
「今回は負けたけど、これを次に生かせば良いさ!」
「そうですよ先輩!先輩前半はリードしてたんですし!」
「スタミナ切れさえなければもう少しいっただろうな。」
「宍戸!映、泣いたらあかんよ?」
「うわーん!!」




なんかこの会話、デジャブな気がします。




「だけど、途中まで良い試合してたぜ映!」
「岳人ー。」
「あーよしよし。」

わしゃわしゃと頭を撫でる岳人。
いつもなら小さい岳人が大きく見えるぞ!

「けど、ジロー先輩のミスで入った点も多かったですけどね。」
「日吉!」

ふふふ、先輩でも容赦しないんだね日吉。相変わらずグッサリくるぜ☆


「あれが見抜けなかったようなら、あんたもまだまだだね。」


ん?と声のした方をみんなで見ると、そこには越前君が立っていた。

「どいういうことだ。」
「だから、あんたもまだまだだって言ったの。」
「テメェ・・・。」




な、なんだこのムード。なんだこの空気!
一触即発!?



「あれ、俺のミスじゃないC〜!」

明るい声が、2人のピリピリした空気を壊した。

「普通、打つ時って誰でも癖とか出るじゃん?それが映、全く同じフォームで球の速度も回転も変えて打ってくるんだもん。球がすごく重いと思ったら、次には軽くなってるの!すごい面白かったC〜!」

私に前と同じように後ろから抱きつきながら話すジロー。
相変わらず容赦なく私にずっしり体重をかけてくるのですごく重いけど、でも今はその重みがなんだか嬉しくて私は思わず笑った。

「ありがと、私も楽しかったよ!でも、速度も回転も全然ダメだったなぁ・・・体力も落ちたゃったし。それに結局ジローのリストの柔らかさに綺麗に返されちゃったしね。」

やっぱりジローは強いな。
さすが毎日あんだけの練習してるだけあるや。
・・・まあ、寝てるとこしか見てないときもあるけどさ。

「またやろうね!」
「うん!」




あぁ、やっぱり試合って楽しいな!






「それじゃあ早速、次の試合も組んでおこうか。」
「すみませんもう無理です・・・!」









よし、勝負だ!
ごめん、体がもう保ちません!




(20080922/20100601修正)

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