「明日からダイエット! ってことでとりあえず、いただきます」
「やるんやったら今日からにせなあかんのちゃうの?」
「ヘルメス! 丁度いいところに。母様がチョコチップパイとエンゼルドーナツとブルーベリーマフィン作ってくれたの。一緒に食べない?」
「あれ? デメテルはええん?」
「私にはこれ全部食べなさいって言って、ヘスティア伯母さまにもお裾分けに行っちゃったの。そのままお茶しながら話し込んでると思うし、ヘルメス、今のうちに食べちゃって」
「ほな、遠慮なくー」
「どうぞぞうぞ」
「ぅわ! これめっちゃ美味しいし! やばいわー止まらんわー。すごいなーデメテルさんボクもデメテルの息子になりたいわ」
「でしょうー」
「しっかし、ボクきたからいいけどコレーひとりにこれ多くないん? ふたりでも多いくらいやん」
「…うん…母様が…」
「デメテルが?」
「私、もうすぐ冥府に戻るじゃない?」
「うん、ボクが連れてってあげる。デメテルに追いかけられながら頑張るよ今年も!」
「ありがとう! それでね、母様ったらこれなのよ」
「この大量のお菓子?」
「そう! これで私の体重を増やすつもりなのよ!」
「ああ、ボクが連れて行くん難しくなるようにとか、向こうのドレスのサイズに合わんようにして帰らさんようにしようってこと?」
「ヘルメスはそんな非力じゃないでしょ。それにドレスなんて新調するかサイズ直しすれば大丈夫よ」
「うーん…ほな太った方がええんちゃうの? ボク、その方が触り心地よくて好きやし」
「あなたの趣味なんて知らないわ。私にとって唯一問題になるのはハデス様よ!」
「ですよねー…。そんでハデス様痩せてる方が好きって言うてるん?」
「言ってないわ、でも…」
「男って痩せぎすな女の子よりむっちりしてる女の子の方が好きやよ」
「そうじゃなくて、私が地上で太って冥府に帰ると…」
「うん?」
「冥府では地上が恋しくて痩せたんじゃないかって」
「ああ…」
「冥府の食事が合わないんじゃないかって。私が冥府で、ハデス様の傍で、無理をしてるんじゃないかって! 地上に返した方がいいんじゃないかって思われて悲しまれるのよ!」
「うん、すごく、想像できる」
「去年のことよ…どれだけハデス様にそうじゃないって言ったか…。ヘカテーから聞いたらしくて母様ったらこんなにお菓子を用意してくれるのよ。だから私今度は、あなたに逢えなくて寂しくて…! って言えるように帰るまでにガッリガリに痩せるって決めたの! 負けないわ、母様!」
「おおお…がんばってー」





「これを食べんって選択肢はないん?」
「だって母様の作ったお菓子美味しいし大好きなんだもの」




<2011/09/28>



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