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信頼と疑惑

※かなり捏造しています。

かつて幻と言われてきたクラスゼロ。
赤いマントを纏い颯爽と現れた彼らは、マザーアレシアの教え子であり、我が子の様な存在だった。
皇国軍が各地を制圧し、その手は朱雀領土へにも及び、唯一魔法を戦力とする朱雀軍は、クリスタルジャマーの発動により魔法を封じられた。
唯一、クリスタルジャマーでの影響下でも魔法により敵を殲滅させていった彼ら、0組は、この作戦から幻と言う言葉を覆し存在を知らしめる事になる。
エースを含めた0組は、ただ朱雀の名誉のために戦っている訳では無い。ただ、マザー、アレシアの銘を受けて任務を遂行しているのだ。
彼らは朱雀の武官の中で信頼しているのはただ一人マザーだけ。
親子の様な関係、という一言でも言い表せない。もっと奥深い何かがアレシアと彼等の仲にあった。
そんな中、新しく0組の担当をさせるクラサメという指揮官が現れる。
いつも慕っているマザーからの銘でも動揺を隠せない。
今まで信頼をしていたのはマザーだけなのだ。
急に素姓も何も分からない人の名など聞ける筈もない。
黒いマントと顔を半分以上隠すマスク。0組に現れたクラサメは、表情を崩す事もなく淡々とした口調で話し出した。
「諸君。今日から0組の担当をする、クラサメだ。これからこのクラスで指揮を務める。以上だ。何か質問はあるか。」
突然現れ、自分達の担任になると言うのだ。クラス中が騒ぎ出す。
「ちょっと、誰の銘でそんな事いってんの?」
ケイトが言う。
初対面で突然自分達の指揮をするなど、淡々とした語り口調で言われても、今までマザーの銘しか受けてこなかったのだ。
反感を受けてもクラサメは表情を崩す事もなくただ淡々と言う。
「…マザー、アレシアだ。」
「はあ?そんなわけないでしょ」
剣幕な表情で責めるケイトはいつも手入れを行っている銃を構える。
その行為を咎めるようにトレイはケイトを制止する。

「落ち着いて下さい。先ずは話を良く聞かないと。」
「諸君等のマザー、アレシアからの銘を受けてだ。それ以外何も無い。」
「あぁ?そんな訳無いだろうがコラァ!!」
勢い余って殴りかかりそうになるナインを羽交い締めにし制止するキング。
その横で冷静に見えながらも闘争心を燃やすエースがいった。
「僕たちの指揮官として相応しいかどうか試す。」
その言葉と同時にケイトがサンダガを放つ。
それを予知していたように躱すと、黒いマントが翻る。それと同時にランスが目の前に現れる。途端に攻撃を受けるクラサメは、見事に攻撃を受け止め躱す。
「うおおらっ!!」
クラサメはナインの攻撃を跳ね返し、ナインは地面に手をつけ倒れた。
「いてえ。」
その隙を付き、エースはカードを飛ばす。それをも見切った様に、クラサメはエースの攻撃を止めた。
エースのカードは魔力の粒子となり飛散する。
過去に氷剣の死神と言われていた頃の実力と比べ、力は劣ってはいるものの未だに力は健在しているようだ。
見るも無残に地に手を付けてしまったナインは悔しそうに言う。
「クソ!なんだこれ…手に負えねえ。」
「うそでしょ?あんた何者?」
今まで着々と任務をこなし、余り苦労もなく戦ってきた彼らでも、歯が立たないのだ。
氷剣の死神と噂されていた頃は、どれだけ強かったのだろうか。
静まり返る教室の中、ただ一人言葉を発した。
「諸君等の期待には答えるつもりだ。クラスゼロの指揮官として相応しい対応をする。以上。」
彼らはマザー以外の指揮官に始めて心を開き信頼を置ける様になる。
それ以上に、固い絆で結ばれるようになるのは、もう少し先の話だ。


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