愛だよ
「堺さん!デートしましょ!」
なんて、先に言ったのは世良の方からだった。そんな可愛い笑顔で可愛い台詞を言われれば誰だって甘やかしたくなるわけで。
デート中だ。
「あっ!あっちにふれあいコーナーあるっス!行ってみましょ!」
「ああ、」
世良、22才でふれあいコーナーに行くお前はとてつもなく可愛いがやたらと子供の目線がお前にいくんだが…、気付いていないのか?仮にもETUしかもスタメンなお前が変装もしないで公に出て誰も気がつかないとでも思ったのか?そして眼鏡をかけて小さな変装をしている俺にも視線が集まりつつある…嫌な予感がするな。
「あー!ママー!ETUのせんしゅがふれあいコーナーにいるー!サインもらいに行こー!」
嫌な予感的中。変装もしない世良に違和感はあったが。まぁ、良いかと思った俺も浅はかだったな。さて、この状況。どうやって逃げようか。子供の声で周囲には完全にバレて視線が一カ所に集まる。どうしたものか…悶々と考えてたら世良が何かに気が付き、息を吸い込み大声をだした
「王子!!!良いところに!!」
世良が指差す方を見ればETUの王子様が赤崎と一緒に歩いていた。なんで赤崎といるんだ。ジーノ…お前は俺達よりも変装した方が良いと分からないのか?
「セリー!酷いよ!今はザッキーとデートちゅ…っ!」
「ちが…っ!何言ってんだ!!」
理解してしまった。普段見ないような赤崎の真っ赤な顔を見て嫌でもジーノと赤崎の関係をしってしまった。俺達も同じ様な関係だから別に非難しようとは思わない。
「ザッキー!走るよ!」
「お…っ!…王子!手!!!」
あーあー、手なんて繋ぎやがってイチャイチャしすぎなんだよ。見ててこっちが恥ずかしい。溜め息だそうとした時に世良が俺の手を引っ張り走りだす
「堺さん!今のうち!!」
ぐいっと引っ張る世良の役目は普段なら俺の役だろうに。気を抜いてて世良に役目を取られてしまうなんて。うっかりしていた。人の目なんてお構いなしで手を繋ぎ人がいない所まで走った。サッカーしてて結構体力はある筈なのに全力疾走して息が上がる。苦しい、けど。心地良いなんて、末期だ
「はぁーっ、はぁーっ…堺さん大丈夫スか?」
「なんとか、な…」
世良も息が上がってる。この時期に汗をかいて体を冷やしてしまったら、また風邪をひいてしまう。世良が風邪をかひないように自分が巻いてたマフラーを世良に巻いてやる。
「風邪ひくなよ」
「あ、あざース!!!」
途端に頬が赤くなりふにゃりと笑う。ホント可愛いと思う。愛しいと思う。
「あ、…あと10秒っス…」
「あ?、なにが…じゅう、」
パァっと世界が輝きだした。これは、イルミネーションだ。
「これ、堺さんと一緒に見たかったんス!」
手をぎゅっと握られ熱が篭る。全く世良には色々勝てる気がしない。えへっと笑う世良を抱きしめ触れるだけのキスをした。
「も、もう一回…して下さいっ!」
「家に帰ってからしてやるよ。それ以上もな、」
(堺さん約束ですよ!)
(お前、そんなにヤってほしいのかよ…)
(!!、ひ、久しぶりっスか、ら…まぁ、ヤりたいっス…)
(可愛い…)
end.
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