メリークリスマス!
ハッピーメリークリスマス!クリスマスといえば、恋人達が幸せに聖なる夜を過ごすというまさしく恋人達の為に作られたという様なイベントである。プレゼント交換などをして、深い愛を更に深くさせるチャンスなのだ。しかし、クリスマス間近、悲劇は怒ってしまった。イベント大好きな世良は愛しい恋人、堺の為に赤崎と一緒にクリスマスプレゼントを選んでいた。赤崎には色々迷惑やら掛けているので今日は堺さんのクリスマスプレゼント含め赤崎にもお礼をするつもりで世良は赤崎と出掛けていた。
「なぁなぁ!堺さん何が良いかな!」
「そうっスね、この季節だから手袋とか…、あ!帽子とか!」
「ナイス!赤崎!!じゃ俺、堺さんのクリスマスプレゼント帽子にしよ〜!」
そんな会話しかしていないのに、遠くから見ていた堺は世良が自分の為にクリスマスプレゼントを選んでいるのだろうと思いつつも思考は巡りに巡って遂に世良は自分より赤崎といる方が楽しいのではないだろうか?なんて事を考えてしまったのだ。そんな堺の右手には世良にあげる為のクリスマスプレゼントの袋がぶら下がっていた。そして、悲劇は起こる。
12.24 X'mas当日
その日、堺は苛々していた。クリスマス前見た赤崎と一緒に楽しそうに笑う恋人の素顔。まるで本物の恋人同士の様な姿に堺は若干の焦りと赤崎に対しての嫉妬心が少なからずあった。今日は大切な思い出になる筈なのに、この怒りを早く消さなければ、でないと、世良に当たってしまう。
「堺さん!!あの!俺!堺さんにクリスマスプレゼント買ってきたんですよ!!」
そんな事を知らずか世良は満面の笑顔で堺にクリスマスプレゼントを見せてきた。中身は勿論、手袋だが、ラッピングされていて中身が見えない。ああ、でも、そのプレゼントは赤崎と一緒に選んだ。ふと、堺の脳裏に昨日世良と一緒にいた赤崎の映像が浮かんだ。赤崎の目は世良を友達としてじゃなくあの目は世良を恋愛対象として見ていた。まるで、俺が世良を見る時と同じ目…、
「世良、」
「はい!」
「お前さ、俺といるより赤崎と一緒にいる方が幸せなんじゃないか?」
「…え?」
俺は何を言っているのだろうか。こんなこと言ってどうせ世良から離れられないのは自分なのに…堺は分かっていたのに世良にその言葉を突き付けた。分かってたからこそ悲しかった、いつも見れる笑顔をただ眺めていたいだけなのに堺の言葉は勢いを増し世良の心を傷付けていく。ああ、止まらない。なんで、口が勝手に動く。世良が泣いてしまう。世良の目にはもう零れそうな位の量の水があった。そして、一滴水が流れた。止める事ができない涙はぽたぽたと世良の鳴咽と一緒に頬を伝い流れてく。ついに泣かしてしまった。罪悪感いっぱいの堺に世良が口を開く。
「堺さん…は、お、れ、っく…、の、こ、と…っき、ひぐ…っきらい…ですか…?」
そんな事ない、愛してる。駄目だ。俺から引き離さなければと思っているのに、俺がこいつから離れられない。どうして、こんなに空回る?頭では分かっているのに整理が出来ていない。
「…、お、れ、帰ります、ね?」
堺の返事が遅い世良はホントに嫌われたんだと思ってしまった。これ以上堺を困らせてはいけないと思った世良はその場から消えたかった。でも涙は止まらない世良は涙流しながらも笑顔を作った。その笑顔は堺を傷付けた。涙を流させたかったわけではなかったのだ。堺なりに世良の幸せを願っての一言だったのに。世良の心に予想以上の傷をつけた
「…っ、悪い!行くな!世良!!」
「堺さ、」
後ろから痛いくらいに抱き締める。こんなに小さい体で全部受け止めて平気なわけがないのだ。本来ならば自分が守らなければならない世良を自分が傷付けたのだ。俺は世良になんて事をしてしまったのだろうか。
「あのな、その…クリスマスプレゼント…赤崎と一緒に買っただろ?それで、赤崎といる方がお前は幸せなんじゃないか、なんて思った。ホント、ごめんな。」
「堺さん…、あの、俺センスあるか分かんないから赤崎に買い物わざわざ付き合ってもらって…、やっぱり堺さんに言っといた方が良かったですね…、俺も悪かったっス!来年は堺さんと一緒にお買い物に行きますね!」
「ああ、」
「じゃ!プレゼントです!!どうぞ!」
さっきまで散々泣いていたのに切り替えが早い、もう満面の笑顔をしている。やっぱり、俺は世良がいなければいけないんだと実感した夜。そして、堺から世良に渡すクリスマスプレゼントで世良がまた泣いてしまうのもまた後のお話。
メリークリスマス!
愛が深まったそんな日
end.
あとがき
とりあえず、最後は甘くなったのかなぁ??うん!堺さんのしょぼん顔は原作では一生見られない気がするw←あと一日でクリスマスだけど遅くなっちゃいそうなので早めに作っちゃいました!クリスマスはどうせイチャイチャしてるんだよ!!堺さんらぶ!
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