わんわん!

ドタバタとなぜか忙しいETU。何かあったのか?なんて思い、近くにいた丹波に何があったのか聞いてみた。聞く所によると、犬がETUの事務所に忍び込んだらしい…なぜに犬…、犬といえば世良だが…、世良は今どこにいるんだ?そういえば姿が見えない。

――――さかいさーん!

後ろの方で俺の名前を呼ぶ世良の声が聞こえた。いつも五月蝿い世良にしては、やたらと声が小さい。色々と疑問はあるものの呼ばれた方に向かって見れば、確かに世良はいた。そしてETUで今問題になっている犬がいた。体はまだ小さいから生まれてからそんなに経っていないのだろう。生後一ヶ月くらいか?

「さっき皆で犬探してたらコイツいきなり飛び掛かって来たんスよ!俺びっくりして…あ、でも、この子犬人懐っこいんで大丈夫でした!」

…、俺の目の前には子犬が二匹に見えるが…この子犬、世良の事が仲間に見えたのではないだろうか…やたら仲良くなった世良と子犬。
子犬二匹がじゃれてやがる。

「あはは、くすぐってぇ!」

ペロペロと世良の頬を舐める子犬を世良から引きはがして抱き抱える。やっぱり軽い。世良の言う通り人懐っこいらしくペロリと俺の手を舐める。

「とりあえずは、皆に報告するぞ。まだ犬探してると思うから…」

「はい!」







「という事で、犬捕まえました」

わん!と子犬も一鳴き。
見るからに世良。世良が小さくなったら、こんな感じなのだろうか…。世良が小さくなったら、なんて考えてみると自分が危ない人になりかねないので思考を停止する

「この犬、世良さんに似てません?」

と、赤崎。やっぱり世良に似てんのか…。見る度世良にしかみれない子犬は俺の隣にいた世良に再び飛び掛かり世良の口元に鼻をつんと触れた。
(コイツ…!)

「…世良さん!この犬オスですよね。何で世良さんに懐いてるんスか!!」

「え、皆にも懐いてんじゃん!」

赤崎、犬に嫉妬なんてみっともないぞ。冷静に考えれば多少は苛々するが、子犬なんだし、じゃれあいも良いとしよう。

「ぅわ…っ!ん…っ!」

口元に鼻を突っつくだけじゃ、飽きたらず世良の首筋を舐める犬。舐められた瞬間、情事中に出すような声を発する世良。何やってんだ!

「あ…、く、び…だめ、っ!や、あ…さかいさ、ぁん!」

ばっと勢いよく世良から犬を引き離す。このままでは危ない。というか犬でそんな声出すなよ!馬鹿世良!!

「ん、っ…ありが…と、ござ、ます…っ、」

「世良、とりあえず来い」

「…へ、??」

世良の手を引っ張り更衣室のトイレに向かう。疑問だけ浮かべていた世良が分かった様に嫌だといきなり言う

「堺さん!ここでなんてヤです!!声、出ちゃったら…!」

「お前が我慢すれば良いだけだろ。こっちは限界なんだからよ」

バタンとトイレの個室を閉めて鍵を掛ける。ぜってぇ逃がさねぇ。さっきの声で欲情したなんてダサいし、今この場所でヤろうとする自分も余裕がないらしい。それでも嫌だと言う世良の唇を塞い手を片方だけ後ろに伸ばしジャージの中に手を突っ込み世良の孔に指を這わして指を一本突き入れる。

「んっ、んん゛!ん゛ぅうっ!」

慣れた所で指を二本増やして世良の前立腺ばかり攻めれば世良の力が抜けて必死に俺の肩を掴んでくる。指を抜いて先端を徐々に入れていく。

「ん、っふぅ…はふっ!」

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