頭の中には貴方

気ままな性格に惚れたのか、適当加減に惹かれたのかはよく覚えていない。ただ、考えてる内に触りたくなった。触れば、何?と聞き返してニヤニヤ俺をみる相手に戸惑いを覚えるが、なかなか答えられない自分に嫌気がさす。頭の中が整理出来ないんだ。結論、俺はこの人が好き、全部好き。だから触りたくなる。直接は言わないけど

「堀田くん?なしたの、」

「ガミさんと付き合う前を思い出したんです」

付き合う前、なんて…たった一ヶ月程前でしかない。俺はガミさんが気になってただけだった頃、今思えば今ガミさんとこうして一緒の部屋に居るのも違和感を感じる。触れそうで触れなかった相手が今では手を伸ばせば届く存在になっていた。

「…俺があの時何も言わなかったらこの関係は…、作れなかったかな?」

「ガミさ、…」

「俺はね、堀田くん…今は、この人生を楽しみたいし堀田くんと居たいって思ってるよ」

だから側にいて、なんて自由過ぎる…、何も考えてないのかと思うとガミさんなりに頭をフルに活動してたりする。今だ掴みとれないなぁ。でも独占してガミさんを苦しめる事は絶対したくない。ただ、この人の横にいれれば良いと思うから、

「側にいますよ、ガミさん。」













練習が終わり、皆着替えが終わって出て行った時ガミさんはいきなり俺に告げた

「堀田くんは、俺が好きでしょ?」

「は、?」

最初、なんで知って…じゃなくて、そんな自身満々に自分の事を好きだろうと聞ける人が世界で何人いるだろうか。いたらかなりの希少価値があると思う。そんな人間が自分の目の前にいるのだ。

「友情じゃないでしょ?俺の事を見てる目。やらしいね、堀田くん」

とん、と人差し指で胸元を突かれる。ガミさんにはもう隠してても無駄な様子だった。バレて良いものでは無かった。この気持ちは分かってもらおうなど思わなかった。見てるだけ、普通に喋るだけで十分すぎる位だった

「でも、俺も堀田くん好きかも」

「かも、って」

「だって…まだ、堀田の事あんま知らないし…。そういうのってさ、付き合ってから理解するもんだと俺は思うね、」

好き、嫌いはハッキリしてるガミさんだから、まだ好きの手前って感じなのかな…相変わらず何かが抜けてる、違うな緊張感が足りないんだ、
ガミさんを壁に押し付けて手首を掴むと、ははっと笑うガミさん。なんか可愛い…と言ったらガミさんはなんて言うだろう。怒るかな?もっと違う顔が見たい。

「ガミさん、好き」

ガミさんの頬にキスをしたら、くすぐったそうに体を揺らす。

「堀田、くすぐってぇ…それにさ、キスするなら口、だろ?」

ガミさんには敵わない。言われた通りに口に触れるだけのキスをすると物足りなかったガミさんは俺の肩に手を置いて、足りない。と一言。なので、もう一回キスをすると、触れるだけのキスからガミさんが舌を口の中から滑り込ませてくる。油断してたら食べられそうな気がしてガミさんの舌を絡めとる。久し振りの相手の舌の感覚にぞわりとした感覚があるけど気にしない。

「ん…、ふっ、」

小さな声なのに頭の中で響いてる。もっと聴きたいなんて思い手を服に滑らすと体をぐいっと押される。

「ここじゃヤりたくないなぁ…堀田くん。んー、家なら良いよ?」

「…分かりました」

車に乗ってガミさんの家に向かう、そういえば来るの初めてかも、なんてドキドキしながら家に入ったら、あれ?ってなる

「あ、そういえば、汚いんだった!」

いや、ガミさん。これは汚いって問題じゃないでしょう!ゴミは散らかしたまんまだし、服も脱いだやつは放置だし。汚すぎる!

「ガミさん、今から掃除しますから…ゴミ袋下さい」

「了解!待っててー!!」

結局その日は何もしないで綺麗に片付いた部屋で寝たんだ。しかし汚かった…ガミさん掃除しないんだ。いや、掃除するイメージはないけど。









って、結局ガミさんとヤれてない。なんて内心ガッカリしてると、ギシリとベッドが鳴ったと思えばガミさんが横に来ていた事に気付いて、途端に押し倒される。

「ガミさん、?」

「そろそろヤってみる?」

「そうですね、」

ヤってみましょうか?、なんて言って口にキスする。今日はガミさんの色んな顔が見れれば良いけど、取り敢えず、頑張ろう

end.

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