ある日の出来事

皆さん!こんにちはー!丹波聡31歳です。え、知ってる?そりゃ残念!実は最近気になる子がいるんだよね。あ、語弊があるかも、俺の事を気にしている子がいます。ダンディな丹さんが気になるのは分かるけど四六時中ずっと視線を感じてるのは流石に怖い。俺、何かしたか?いや、なんもしてない…気がす、る…けど全く無いって言ったら嘘だな。だって俺悪戯好きだし…、

「丹さん、」

「ん、?なんだい赤崎君」

赤崎遼。最近やたら俺を見てくる赤崎。好意を持たれるのは悪い事じゃないが、なんか赤崎のは先輩に対する敬意や友達に対する友情みたいな好意じゃないと思うんだが…、気のせいか?なんてゆうか、こう、好きな奴を見るような視線てゆうか、

「今日、一緒に飲みに行きません?暇だったらスけど」

「んー、二人?」

今、赤崎と二人になったら踏み込んでは行けない境界線に入ってしまいそうで正直怖い。

「…別に誰か誘っても良いスよ」

俺、世良さん誘うんで、なんて言う赤崎。ここは空気を呼んで堺を誘えば良いのか?堀田とガミは用事があるって言ってたし。だってあいつら付き合ってるらしいし、世良だったら堺と付き合ってるし…考えたらETUってカップル多いよな、普通の人って結婚してる夏木だけじゃねぇのか?

「じゃ、俺は堺誘うわ、場所教えてくれたら後で堺と行くから待ってて」

無事に堺を説得して居酒屋に誘う事に成功したけど、なんだかなぁ…

「おい、丹波」

「ん〜?なぁに、堺」

「赤崎の気持ち気付いてんなら返事してやれよ。」

あ、知ってたんだ堺のやつ。勘が鋭いよね。洞察力があるのかな。いつも冷静にサッカーするもんだから、そんくらい洞察力があって当たり前なの?

「だってさ、赤崎若いじゃん!何も31歳の俺の事好きになって後から後悔されても困るしさ!」

「馬鹿か。そしたら俺と世良はどうなんだよ」

「ん?俺はね、堺と世良羨ましく思うよ。だって好き合ってるし。大丈夫だよ。不安なんてなさそう…俺の場合さ、不安だらけだよ」

「……、」

堺と喋ってる間に赤崎と約束した居酒屋に着く。よっしゃ!明るくいかないとね!!ガラッと勢いよく扉を開けると既に顔が真っ赤な世良とおそらく世良以上に呑んだ赤崎がいた。赤崎って酒めっちゃ呑めんだ…顔が全然酔ってないよ…

「あー!しゃかいさんだぁ!おれ、ずっっとまってたんすよぉ」

顔が真っ赤な世良が自分の近くに来た堺に抱き着く。あーあー、可愛い顔しちゃって…、堺なんて嫌な顔しつつも溜め息してから抱き締めてやるなんて優しいよね。

「丹波、先帰る。世良送ってやんねぇと…赤崎悪いな、世良煩かったろ」

「大丈夫ス、世良さん煩いのいつもなんで」

「え、堺…!?」

ちょっ…!!え!?置いてくの!?酷い!丹波さん困らせて何が楽しいの!?堺の馬鹿!

「さて、お話でもしましょうか?丹さん」

「……っ」

なんて嫌な顔。計画たててやがったな赤崎…、いつかは腹くくんなきゃいけないんだったら別に今日じゃなくても良くね?

「それとも、散歩でもします?」

で、何で俺は今赤崎と歩いてんだ?嫌なら用事があるって言って帰っちゃえば良いのに、断れないのは赤崎にハッキリ言ってやれない臆病な俺と赤崎に対する罪悪感からか?考えていたら、どんどん気持ちがごちゃごちゃになってきて訳分かんなくなる。え、俺赤崎が好きなの!?違うだろ!違うって信じたい!!

「ねぇ、丹さん」

「なに、赤さ…、うわ!」

いきなり腕を引っ張られて路地裏に連れてかれる。壁に押し付けられて両手を片手で押さえられて…これってヤバイ雰囲気じゃない?てか赤崎細いのにこの力反則じゃない?これも歳の差?

「あはは、やだなぁ、遼ちゃんにこんな趣味があったなんて聡、知らなかっ…」

気分を茶化そうとして口走ったのが気に入らなかったのか赤崎の空いてた方の片手で顎を固定されてキスをされる。口を閉じてたのに無理矢理舌を捩込まれる。

「ん、ぐぅ…ん゛…っふぁ」

「…丹さん好きなんスよ」

「…っは、ぁ…あかさ、き」

「好き、です…」

流されんな俺、駄目だ。これ以上赤崎を俺に嵌まらせたら駄目だ。俺は赤崎を好きになっちゃ駄目だ。赤崎はまだ若いから、

「なんで泣いてるんスか」

「は…、」

え、俺泣いてんの?うわ最悪、この歳で泣くなんて思わなかった。赤崎に泣き顔なんて見せたくないのに、今日はついてない

「赤崎はまだ、若いから、俺、好きになっちゃ、ダメ。俺、たぶん赤崎好きだから赤崎に飽きられたらヤダから付き合えない…、怖い、ごめん、赤崎…」

泣き顔を見られたくなくて顔を下に向けるけど今更こんな抵抗無駄だって分かってるけど、これ以上赤崎に好きになってもらったら俺ホントにヤバイ。涙が地面にポタポタ落ちてるのを見てたら赤崎にかなり強い力で抱きしめられる

「あかさ、き?…っい゛!痛い痛い!力強すぎ!」

「飽きたりなんてしないス。こんなに丹さん好きなのに、一生…使っても足りないくらい丹さんが好きっス」

「恥ずかしい奴、飽きたりしたら怒るんだからな!」

「丹さんこそ、俺に飽きないでくださいよ?飽きたら部屋に監禁します」

「怖いよ、赤崎」



丹波聡31歳これから10歳離れてる奴と長いお付き合いをしていく事に決めました!!


end.

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