「名前」
『ん?なぁに、ヒデノリ』
休日、名前は恋人であるヒデノリの部屋にいた。
「今、スカートじゃん?」
『そうだね』
「……大丈夫か」
『な、なにが』
名前は、いきなり立ち上がり自分ににじりよってくる彼の方が大丈夫なのかと思った。
「恥ずかしくない?」
『は?…別に』
「だって布一枚だぜ!俺には耐えらんねぇよ!不安でしょうがないよ!」
『誰もヒデノリに穿いてくれなんて頼んでないので安心して』
「正直、少し穿いてみたい」
『あ、そう……こっちくんな』
「なぜ」
『脱がされそうだから』
「…………」
『黙るなよばか』
ごほん、と咳払いをしたヒデノリは、まるで今のやり取りが無かったかのように話し出した。
「という話をヨシタケとした」
『最近の男子高校生は馬鹿だな』
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120309