君は期待を裏切らない | ナノ





私は苗字名前。
開盟学園の二年生です。

クラスはD組。比較的変わり者が多いんだろうけど、なんだかんだみんな良い子だと思う。思いたい。


『ねぇ、小田倉』

「なに?」

『…なんでもない』

「なになに?気になるじゃないか」


隣の席の小田倉くん。Tシャツにバンダナという、ある意味古風なオタクスタイルを貫いている。机の上にフィギュアを置くんじゃない。そんな彼でも、私の話を聞いてくれる良い奴だ。

私は吹奏楽部の助っ人をすることがある。母が楽器が好きで、私も小さい頃から楽器演奏は得意だった。この学校の部活は多種多様で、他の部に生徒が分散してしまい人手が足りなかったらしく、せめて経験者が欲しかったようだ。


「名前、今日の放課後暇か?」

『ボッスン君』


廊下を歩いていると後ろから声を掛けられた。彼はボッスン、スケット団の部長だ。彼の隣にいる金髪の女の子は、同じくスケット団のヒメコ。


「猫探しを手伝って欲しいねん!」

『いいよ、手伝ってあげる』

「よっしゃ!人数は多いに越したことないからな!」

『じゃあ放課後、部室に行くね』


学校の何でも屋である彼らは生徒からの依頼で忙しそうだ。そういえば彼の姿がなかったな。その時、ぽんぽんと肩を叩かれて振り返ると、頬に触れる人差し指。


『…ふいっひ』

〈俺が見当たらないと思ってキョロキョロしていただろう〉

『し、してない!』

〈名前ちゃんカワユス〉


黒髪眼鏡の彼はスイッチもとい笛吹和義。整った顔と博識さのせいか、女子の人気は高い。そしてスケット団の一員であり、私の恋人でもある。


〈なにしてるんだ?〉

『自己紹介』

〈は?〉




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120420


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