坂田家 | ナノ





『昨日はあの後二人に説明してね』
「…うん」
『納得してくれたっていうか』
「え?納得してくれた奴がなんで見張りみたいなことしてんの!?」
「見張りじゃないアル」
「帰り道が途中まで一緒なんです」
『そうだよ』
「そうなの!?」


帰り道に何故か途中まで迎えに来ていた銀兄と帰っていると、後ろから神楽ちゃんと妙ちゃんに話し掛けられた。


「でもまさか銀八先生が双子だったなんて驚いたわ」
『あ、うん』
「つーか神楽ちゃん?なんで俺のことを射抜くように見てくんの!?」
「どうせみんな妹萌えなんダロ」
「なっ!…間違ってないけどな」
「仲良しなのは良いことじゃないですか」


妙ちゃんが言葉を続ける。


「名前ちゃんの部屋に銀八先生とのツーショット写真が飾られてるのにまさかと思って黙っていたのよ」
『まさか!?まさかって何!!?』
「そりゃあ教師と生徒の禁断の…」
『私は気を使われてたの!?』
「授業中とかよくアイコンタクトしてるアルもんな」


それじゃあ私達はここで、と道を曲がっていく二人に唖然とするばかり。後味が悪いな!


「いいなぁ、オイ。学校でも名前ちゃんと一緒とか羨ましすぎんだろ」
『今晩はコロッケにするね』
「話を聞いて!」
『じゃがいもが…』
「じゃがいもじゃなくて!てかなんだ、授業中のアイコンタクトって」
『意思疏通はあまり無いけど』
「ふーん」
『なに拗ねてんの』
「拗ねてませぇーん」


銀兄は拗ねたら本当にめんどくさい。なんか女の子みたいで凄くめんどくさいのだ。京女のようだ。私は深入りしないうちに彼に右手を差し出す。


『手、繋ごうか』
「名前がどうしてもって言うなら?繋いであげても良いけど?」
『どうしても』
「はい!」
『帰って二人でコロッケ作ろう』
「おう」


銀兄はたまにツンデレな素振りを見せる。どうしても、のくだりは少しうぜぇと思ったのは内緒だ。横顔を盗み見ると嬉しそうに口角を上げる銀兄が見れたから、それだけで良かったのかもしれない。










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