誕生日に誉先輩から綺麗な薔薇をもらった。綺麗な赤だった。とても嬉しかったのを覚えている。
しかし、その薔薇が枯れてしまいそうなのだ。
水もきちんと毎日変えていたのが、花はやはりいつかは枯れてしまうものなのだ。でも、大切な先輩からもらった薔薇をこうも簡単に枯らしてしまうのはつらい。
「といいわけで押し花をして栞にしてみたんです」
「へぇ、凄く綺麗だね」
「、ちょっと不格好になっちゃったんですけど、」
「ううん。上手だよ」
「ふふ」
「それに僕も嬉しいよ」
「どうしてですか」
少し不格好な、でも頑張って作った薔薇の栞を先輩は慈しむように見ていた。
「この薔薇には僕愛がつまっているから」
そう言った先輩は私に優しく微笑んだ。
瀕死の薔薇
(貴方の愛がそこにある)
tittle by 濁声
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