7歳の時、初めてこの欠片を見つけた。
普通ならば、生まれたときから幾つか持っているはずのそれは、俺にとっては簡単には見つからなかった。
人と関わり、人と触れ合い、人と言葉を交わして、またもう1つ見つけた。
それから少しずつ見つけていった。けれど、なかなか思うようにはいかない。
見つけることが出来ても、その欠片が何なのか、俺には理解出来なかった。
これは、何なのだろう。


“嬉しい”
“楽しい”
“面白い”
“苦しい”
“辛い”
“哀しい”


15歳の時、蜂蜜色の少年に会うまでに理解出来たのは、この6つの欠片だけだった。
口調や仕草などは、本を読んでいろいろと真似をしていたが、所詮は真似事だ。
其処に、感情は一切無かった。
他人の笑顔や、憎しみに歪む顔を見ていると、いつも不思議に思った。
俺は特に、怨みや妬み、憎しみといった類の感情は全く理解出来なかった。
何故怨むのだろう。何故妬むのだろう。何故憎むのだろう。
そこに意味は有るのだろうか。
分からない。判らない。解らない。ワカラナイ。


ある日気付いた。
“感情”というのは、意味があるとかないとか、そんなことはどうでもいいんだ。
ただ、笑ったり、泣いたり、愛したり、憎んだりして、誰かと繋がることが大切なんだと、思ったんだ。
蜂蜜色の少年が、気付かせてくれた。俺に教えてくれたんだ。
本人はそんなつもりじゃなかっただろうけど。あの子の笑顔が、教えてくれた。
恐怖に呑まれそうになりながらも、その瞳の奥の輝きが消えることはなかった。
その真っ直ぐな瞳に、俺は救われたんだ。
俺はまだ、愛だの恋だのといったことはよく解らない。
けれど、ひとつだけ言えることがある。
俺は君が、綱吉がとても大切な存在だってこと。
友人として、仲間として、弟のような存在として、ボスとして。
綱吉はとても大切。
だから、俺が護るよ。
綱吉の大切なひとも、俺が全部、護るよ。
綱吉は俺に、光をくれたから。













いくつ集めてもこの欠片は、

(解らないことだらけだ)
(それでも俺は、護りたい)