「なんでいつもそうなのかな、お前は!」




暴走族一団とやりあって、体中あちこちに擦り傷や切り傷を作って帰ってきた雲雀を容赦なく殴る。



ごつっ、と小気味よい音と共に雲雀はゆら、とよろめいた。


俺の拳さえ避ける余裕がないらしい。




「…痛いよ、玲」
「お前が阿呆だからだ!」



ぶすっとしている雲雀をとりあえず部屋に引っ張り上げて怪我の具合を見る。
顔は特に酷くはないけど、腕は酷いもんだった。
頭を庇うから血塗れの傷だらけだ。



何より、本人がそれに頓着しないのが始末に終えない。




「服脱げ、治療してやる」


「いいよ、ほっとけば治る」


「なんか文句あるのか?痛いんだろ、意地張ってないで脱げ!」



不機嫌そうではあるが、雲雀はゆっくりとシャツを脱いだ。



腕ほどじゃないけど、腹も痣と裂傷が目立つ。




俺の機嫌が更に急降下しているのを察してか、雲雀は脱ぐのを止める。




「なんで止めンだよ」


「もっと不機嫌になるから」




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