僕がこの世界の終わりを探すと決めてから、またいくらかの時が過ぎた。 僕という存在がこの世界に生まれてから、どれほどの時が流れただろう。今では考えるのも面倒だ。 そんな事が判ったところで、何も変わりはしないのだから。ただ、僕の精神状態に影響があるだけ。 少しでも早く、あの少年の、あの子の元へ… 失われた(というよりは閉じ込められた)記憶が、あの子のことを切望する。 余計なことは考えない。感じない。意味など無いのだから。 僕はただ、あの子の涙を止めたい。泣かないでほしい。笑っていてほしい。 僕は――俺は、あの子の笑顔が好きだから。 ――兄さん ――兄さん、起きてください ――静かにただ眠るなんて、貴方らしくもない ――だから、兄さん。早く起きてください ああ、全く。お前は時々恐ろしく辛辣になるな。 そう言うなよ。今すぐ起きるからさ…だから、泣くなよ。 「おはよう」 |