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30.

「ふぁーぁー……。」
「昨日遅くまで起きてたのか?」
「うん、ゲームとまんなくて…。」

結局落し物イケメンと遭遇したあと部屋に帰ってゲームをしだすとなかなか手を止められなくてゲームしてご飯食べて寝てを繰り返して休日を過ごした。今日は平日で学校があるからなんとか起きたものの、寝たのは外が薄明るくなり始めてからだから仮眠程度にしか寝ていない。一度寝てしまうと短時間だけ寝て起きるっていうのは苦手だからなんなら寝る前よりしんどい。仮眠苦手だ、寝なきゃ良かったかもなあ…。

「あー…ねむ……。」
「…俺今日も委員会あるから夕方帰るけど、お前帰ってきてから寝るなよ。夜寝れないとまた明日朝ぐずんだろ。」
「うーん…がんばる。」

ぐずるってなんだよ、と思いつつ朝燈夜になんとか起こしてもらったのは事実だからなんにも言い返せない。

「じゃあ俺…放課後裏庭にでも行こっかなー…。」
「……1人でうろうろすんなよ、裏庭行くときは俺も行くって言ったろ。」
「大丈夫だよ、それに燈夜は委員会あるし。」
「お前…変なやつが来たらすぐ帰ってこいよ、眠いからってベンチで寝たりすんなよ、あとスマホ忘れんなよ、すぐ連絡できるようにしとけ。」
「はーい…わかったわかった。」

ほんとお母さんだなあ燈夜は。

生徒会書記の京佑先輩に会ったすぐ後は親衛隊だとかを警戒していたものの、呼び出しだとか苛めだとかは今のところ全くなく、人気者には会わないように気をつけつつも気楽に過ごしている。
誰にも見られてなかったかもしれないし、いつまでも周りを警戒しながら過ごすのって疲れるし。篠塚くんともまあそこそこ話すけど、親衛隊は穏便派みたいだし俺と特別親しいわけではないのもあってか特になにもない。

裏庭にはあれから行ってないけど…あの猫、いつもいるのかなあ…。かわいいんだけどなあ…触るのはあんまり得意じゃないんだよなあ…でも仲良くなりたい…うーん…難しいか。
あ、ゲーム機持ってこ。今日も晴れみたいだからベンチに座ってるの気持ちよさそうだし、でもなんかしてないと寝ちゃうし。

夕方とか眠いときにすやーっと寝るのが気持ちいいのにとも思うけど、夕方寝るの我慢出来たら夜はいい感じに寝れそうだし、なにより明日の朝またこのしんどさを味わうのは辛い。

授業中も寝ないように頑張らないとなあ……。

「そろそろ行くか。」
「うん…行こっか。」




ーーーーー……

「柊本城おはよー。」
「はよ…。」
「んー……おはよー…。」

目は覚めてきたもののまだまだ頭は回らず鈍い挨拶を篠塚くんに返す。

鞄を置いて、教科書を机に入れて、あー…のそのそしか動けない。

「柊ー眠そうだな。」
「うーん…ちょっと遅くまで起きててさ……。」
「へー、授業中寝ないように気をつけろよ。」
「うん、がんばる…。」

篠塚くんは今日もバスケ部の朝練があったらしく朝から元気。一汗かいてきたとは思えない爽やかさだし汗臭くない。

今日は澤村先生の授業もあるし、寝たらまた呼び出されちゃいそうだから、それまでにしゃきっとしないとなあ…。



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