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「桐、おいしい?」
「ん、おいしい。」

結構パスタを2種類とピザと智樹が選んだ前菜的なあれをいくつか頼んだ。お互い皿に取り分けながら食べている。あ、これうま。

「桐は委員会とか部活には入った?」
「ううん、何も入ってない。」
「うん、知ってるよ。」

なんで知ってんだよ、なんで知ってんのに聞いたんだよ。…あぁでももしかすると生徒会だから委員会に誰が所属してるかとか知ってるのかもな、うん、そういうことにしよ。

「…智樹は生徒会でしょ、有名みたいだけど俺全然知らなかった。」
「桐、あんまりそういうの興味なさそうだよね…興味ないとはいえ俺に気づいてくれなかったのはショックだったけど。」
「うん……なんか、それはごめん。本当に遠くからしか見なかったからさ。それに智樹、ちょっと雰囲気違ったし。」
「あぁ……別にキャラを作ってるとかそういう訳じゃないんだけどね。こんな風に素で話せるのはやっぱり桐だけかな。」
「ふーん…生徒会の人とはどうなの。」

生徒会だと委員会みたいにたまに集まったりって感じじゃないだろうし、それなりに仲良くないとしんどそうだけど。

「まあそれなりに仲良くやってると思うけど、やっぱり桐がいちばん落ち着くし好きだよ。」
「ふーん。」
「あ、流された。」

智樹はさっきからずっとにこにこにぱにぱにやにやしてる、食堂とかで見たときとは大違いだな。あのときはすごい睨まれてると思ったくらいだし。

ご飯食べに来るの、ちょっとめんどくさいなとか思ってたけど、やっぱり久しぶりに智樹とご飯するの楽しいかもな。

「あ、桐デザートどうする?」
「うーん……んー…これ。」
「クレームブリュレ?」
「うん。」
「じゃあ俺はこっち。」

俺が指さしたのはクレームブリュレ。智樹はフォンダンショコラ、アイスとか添えてあって美味しそうなやつ。
フォンダンショコラとクレームブリュレで悩んだんだけど今日はクレームブリュレにしちゃった。智樹、あわよくば一口くれないかなー…。

「半分こしようね。」
「……一口でいい。」

エスパーやめろ。と思ったけど一口頂く身だ、言わないでおく。





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