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あ、今日智樹と約束の日だ。

朝、スマホで時間を確認したときに日付を見て気づく。新歓の日の来週末って今日か。

とりあえず、燈夜の作ってくれたご飯を食べるためになんとか起き上がる。朝ごはんは食べない派だったけど、新歓の日に朝ごはんを食べてから少しだけ食べるようになった。味噌汁とご飯と燈夜に少しだけわけてもらうおかずを食べるようになった。

燈夜はあの日からなにも言わなくても朝ごはんを準備してくれるし少し早く起こしてくれるようになった。

コンコン、ガチャ

「起きてるよー……。」
「ん、冷めるから頑張れよ。」

冷めるから急げじゃなくて頑張れって言うのが燈夜らしい。

「んー…あー……よし、がんばろ…。」

なんとかベッドから立ち上がって顔を洗いにいく。

あ、そういえば今日の智樹とのご飯どこで食べようかな…。食堂はうるさいし人目があるし。

部屋、うーん…部屋かあ。智樹の部屋は生徒会役員用フロアにあるんだよねえ…じゃあ俺の部屋か…うーん……。

「どうかしたか。」

俺がうんうん唸ってるのを見て燈夜が声をかけてくれる。

「今日さ、智樹と新歓のときに約束した日なんだけど…人目につかずにご飯食べれるとこ考えてた。」
「そういや今日か。…あいつの部屋で食べればいいんじゃねえの。」
「え、ここで食べたらどうかと思ってたんだけど…。」
「あいつがこの部屋のあるフロアは人目が多いだろ、夕飯時は余計な。あいつがこのフロアをうろつくよりお前が人目につかないように移動するほうがいいんじゃねえの。」
「でも人目がいっぱいあるなら俺が生徒会フロアに行くの見られるのも一緒なんじゃないの。」
「お前が移動するよりあいつが移動するほうが目立つだろ。」

確かに、と思いながら味噌汁をすする。
あ、うま。

「えーなんかめんどくさくなってきた…。」
「約束したんだからちゃんと行けよ。それに、先延ばしたらしたであいつ余計めんどくさくなりそうだけど。」
「確かに、それは良くない。がんばる。」

燈夜にわけてもらった玉子焼きをつまむ。あ、今日は出汁巻きだ。

「あ、燈夜も一緒に行こ!」
「……は?」
「燈夜が生徒会フロアに行くのは良いじゃん、あそこ風紀委員長さんと副委員長がいるから用事があるってことで行く理由あるし、そこに俺がくっついて行けば良いんじゃない?」
「…考えとく。」
「前向きにね!」




***

「帰んぞ。」
「ん、委員会ないの?」
「今日はない。」

とくになにもなく迎えた放課後、燈夜は委員会がないらしく一緒に帰る。
ちなみに智樹に部屋に行ってもいいか聞いたらあっさり了承してくれた。燈夜も行くことに関しては若干渋ってた気もするけど、…気のせいってことにしといた。

新歓の日から委員会の日が続いてたから一緒に帰る。あ、なんか甘いの食べたいな。

「燈夜燈夜、帰ったらホットケーキ食べよう。」
「晩飯食べれねえだろ。」
「それはそうだけどさー、でも今日食べたいんだよ。」
「食後にしろよ。」

でも今日智樹とのご飯だしなあ…あ、そういえば燈夜来てくれんのかな。

「燈夜今日ついてきてくれるの?」
「あぁ…うん。」
「え、いいの、ありがとー。」

あ、そういえば生徒会フロアに行くまではいいとして、生徒会フロアで誰かに見られたりしないかな…いや、急いで智樹の部屋に入れてもらえば大丈夫か……?







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