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「皆さんおはようございます、生徒会副会長の三木です。これから新入生歓迎会を始めたいと思います。まず初めに生徒会会長の挨拶です。」

「生徒会会長の佐伯です。本日は天候にも恵まれ___…」

今日の朝は体育館にだいたいクラスごとにかたまって集合するように昨日のHRで澤村先生から指示があったからその通りに燈夜と体育館に来た。
俺たちは少し遅かったみたいで体育館には人がいっぱいいたしクラスのみんなもほとんど集まっていた。

だいたいクラスごとにかたまる、と言いつつも生徒会を近くで拝みたい親衛隊の人たちが舞台前に集まっていた。行事ではほぼ必ず生徒会役員の挨拶があるからこの光景も恒例らしい。だいたい、って便利な言葉。

煌びやか5人組のうち2人が前に立って1人が司会、1人が挨拶をし始めた。
話の内容を聞くに司会が副会長、挨拶してるのが会長っぽい。

会長は挨拶を終えたっぽくて副会長にマイクを渡している。

「ではこれからルール説明をします、1度しかしないのでよく聞いていてくださいね。」

「ルール説明ってHRでされたのとは違うの?」
「確認の意味もあるんじゃねえの、あとはHRより細かいルール説明もされると思う。」
「ほーん。」

じゃあ一応聞いとくか。

「皆さんブレスレットは忘れずにお持ちですか?」

ブレスレット…そういえば昨日のHRで渡された気がする、けど持ってきた覚えがない。あんなに燈夜に持ち物確認したのに忘れてしまった…。

「ん。」
「え。」

サボれるのは良いけど、せっかく燈夜と約束したのに…と複雑に落ち込んでいると燈夜がポケットから2つのブレスレットを出した。そして1つ渡される。
ブレスレットといってもチェーンのオシャレなものではなくシリコン製だ。

「ブレスレットは1年はクラスごとに色が異なり番号が書いてあります。鬼は色が学年ごとにより異なり、こちらも番号が書いてあります。」

確かに、クラスごとに違う色のブレスレットを持っている。当然俺と燈夜は一緒だし。
それから番号も書いてある、たぶん俺の出席番号。

燈夜いわく2年が赤、3年が緑のブレスレットをしているらしい。

「え、てかなんで燈夜が持ってんの。」
「リビングの机に放ったらかしになってたから預かっといた、お前絶対忘れそうだし。」

「鬼が逃げる側を追いかけて、ブレスレットを奪えば捕まえたことになります。なのでブレスレットは必ず左右どちらかの手首につけておいてくださいね。鬼は奪ったブレスレットを自分のつけているブレスレットにかざしてください。赤く光れば認証されたことになります、それで集計するので忘れずに行ってください。鬼がつけているブレスレットはかざしても数に入りません。また1度鬼のブレスレットに認証されたブレスレットは別の鬼のブレスレットでは認証されなくなります。」

手首からずり落ちたりはしないようにサイズ調整が出来るようになっている。

「燈夜、ん。」
「あ?あぁ…ん。」
「ありがとー。」

少し大きかったから燈夜にサイズ調整してもらった。

「ブレスレットを取られた人はその時点で脱落となりますので体育館に戻ってきてください。ブレスレットは鬼から返してもらい、一緒に持って帰って来てくださいね。」

「ブレスレット取る必要あんの?」
「鬼が自分のに認証させればいいから、別に取る必要はないんじゃねえの。」
「無理やり認証させられちゃったりしないのかな。」
「そういうことがないように風紀委員が警備することになってる。」
「ふんふん、なるほど。」

ケイドロっぽいけどケイドロっぽくないな。なんかよくわかんないゲームだけどずっと燈夜と引きこもるし関係ないか、なんでこんな真面目にルール聞いてたんだろ。

「制限時間は2時間30分です。では開始しますので1年生の皆さんは逃げ始めてください、5分後に鬼が追いかけ始めます。」




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