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コンコン、ガチャ

「起きろよ、今日は朝から動くだろうから朝飯ちゃんと食べといたほうがいいぞ。」

ついに新歓の朝。いつも通り燈夜が起こしに来てくれる。

「うーん…ご飯なに…?」
「玉子焼きと味噌汁と肉じゃが。」
「味噌汁なに…?」
「なめこと揚げ。」

あ、俺が好きな具。朝あんまり食べられないんだけど、なるべく食べられるように好きな具にしてくれたのかな。気の所為だったら恥ずかしいから聞かないけど。

「じゃがいも入ってないじゃん…。」
「肉じゃがと被るだろ。…冷めるからはやく来いよ。」

せっかく好きな具の味噌汁だし食べたい、と思ってなんとか重い身体を起こす。スマホで時間を確認するといつもより15分早い時間だった。

朝ご飯を食べる時間もだけど、起きてすぐより少し時間があるほうがお腹が空くからかな。

ほんとお母さんっていうか、気がきくよなあ。

「よし、食べよ。」

いつも朝は食べないから準備してもらってないけど、せっかく用意して起こしてくれたんだし食べないとな。




「いただきまーす。」
「今日昼購買な、あと体操服で集合だから間違えんなよ。」
「わかってるって、短パンとジャージで良いかな、暑いかなあ…。」
「外は暑いだろうけど屋内は空調あるし良いんじゃねえの。」
「そっかーじゃあいけるか。」

暑いのはいやなんだけど、空き教室に隠れてる予定だし大丈夫か。

「燈夜は始まったらどうするの?」
「あー…適当に隠れてようと思ってる、1年は見回り担当から外れてるし。」

2、3年は鬼をやりながら見回りをするらしい、大変そう。一応鬼で参加してるものの見回り優先であんまり捕まえたりはしないらしい。
ちなみに生徒会役員は鬼で参加してるらしい。
鬼っていうかケイドロだから警察か。

「ふーん……じゃあ一緒に逃げよーよ、1人で逃げるの寂しいし。」

本当は空き教室で1人で隠れるのが暇でいやなだけだけど。

「お前、本当は空き教室で1人が暇なだけだろ。」
「だから心読まないで?」
「ま、良いけど。じゃあお前が下見に行ったらしい空き教室にでも行ってみるか。」
「うんそうしよ。」

新歓とか初めてだし、不安とか、怖いわけじゃないけどやっぱり1人より燈夜といるほうが落ち着くし安心するし。
燈夜も楽しめたらいいねって言ったけど俺と空き教室に籠るのって楽しいのかな…まあ燈夜が良いって言ったしいいか。



「そろそろ行くか。」
「うん、着替えてスマホだけ持ったんだけど他になんかいるかな。」
「あー別にいらねえだろ。」
「あ、カードキー。」

「…お前なくしそうだからやめとけ、俺が持ってくから。」
「えー…でも購買行くでしょ?」
「俺が払っとくから次払ってくれたらいい。」
「うーん…じゃあそうする。悲しいけど、本当になくしそうだし。」
「おーそうしろ、行くぞ。」
「あーい。」





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