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目を覆ってた燈夜の手をふいっとどかすと目は合わなくなってたけど相変わらずこっちを見ている。ていうかさ、

「燈夜めっちゃ見られてない?」
「…つか睨まれてる。」
「なんかした?」
「あ?してねえよ。しいて言えばお前の目を覆ってから睨まれてる。」
「えぇ…変なの。」

俺とじっと目を合わせたかと思ったら俺の目を覆った燈夜を睨むってすっごい謎。

「もしかして知り合いかなんかか?」
「ん?うーん…ちゃんと顔が見えないからわからないけど、たぶん違う。」
「……まあ、あんま近寄らないようにしろよ。」
「そうする、なんか怖いし。」

触らぬ神に祟りなし、ってやつだな。

「おーい2人とも食べ終わったなら教室に戻ろうぜ。」
「燈夜終わった?」
「ん、お前も終わったか?」
「終わったよー、いこ。」

昼ご飯を食べ終えたあとは教室に戻って授業が始まるまで適当に時間を潰した。

食堂を出るとき、背中に視線が突き刺さっていたのは気の所為にした。




***



「お前、本当に庶務と知り合いじゃねえの?」

晩ご飯時、昼のこともあってか燈夜に質問された。

「うーん…ちょっと遠かったからはっきり顔は見えなかったけどなぁ…あんな真面目そうなイケメン俺の知り合いにはいないと思う。」

そもそも知り合いがそんなにいないけど、とは心の中でだけ言ってみる。

「お前、知り合い少なそうだしな。」
「は?エスパー?」
「なんだ図星か。」
「うるさい、なんか悪いか。」
「悪くねえから拗ねんなよ。」

やっぱり俺燈夜に子供扱いされてるよね…子供扱いされてるついでにカッターシャツ洗濯に出しとこ。燈夜ママに洗濯してもらおっと。


「さすがにあれでお前に目をつけた親衛隊はいないと思うけど、あんまり油断すんなよ。」
「…親衛隊って敏感なんだなあ。」
「人気者になればなるほど親衛隊の人数は増えるし、大量の監視カメラの前で悪いことをするようなもんだ。悪いことをしたやつは捕まえるだろ、そういう感覚なんじゃねえの。」
「ふーん…人気者さんのことがすきなのはいいけど、他の人を落とすのはなんだかなあ。」

なんかとにかくめんどくさい人たちだ…。

「そうだな…まあ何処の馬の骨かもわかんねえやつが近づくのが許せないんだろうけど、相手にその気がなくても見境なしに制裁ってとこが多いからな……本当に気をつけてくれよ。」
「ふーん…見境なしに制裁って、親衛隊の人達は暇なの?」
「なんかお前ほんと馬鹿だな。」
「めちゃくちゃ失礼なこと言うなよ。……まあ、めんどくさいことは嫌いだから、大丈夫だよ。」
「……イマイチ信用ならねえな。」
「ほんと失礼だな傷つくじゃん。大丈夫、気をつけるから。」
「ほんとに気をつけろよ、新歓明後日だしよ。」


「燈夜も新歓、楽しめたらいいね。」
「お前もな。」



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