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「燈夜購買行こー。」
「ん、行くか。」
今日はたまにある弁当のない日。弁当のない日は購買に行くことにしてる、食堂は人が多そうだから俺も燈夜もあんまり行かない。あれ、俺1回も食堂行ったことないかも。
「お、今日は購買か?」
「あ、篠塚くん。」
「弁当じゃないならたまには俺と食堂行こうぜ。」
食堂、食堂か。1回くらい行ってみるのもありかもしれないけど、ちょっとだけめんどくさいな、動きたくない…。
でも食堂じゃなかったら購買に行かないとだし、うーん。
燈夜はどうするのかな、と思ってちらっと見てみると燈夜もこっちを見てた。
「燈夜も一緒に行こ。」
「…ああ、たまには良いだろ、お前行ったことないし。」
「ね、篠塚くん、燈夜もいい?」
「お、本城もか?いいよ、3人で行こうぜ。」
食堂行くの初めてなんだけど、どんな感じなんだろ。
「……でか。」
食堂はなんていうか、でかくて広くてなんかすごい。
あとうるさい。
燈夜があんまり来ないのもわかる。
「お、あそこあいてる。」
篠塚くんが席を見つけてくれたみたいで3人で座る。俺の隣に篠塚くん、前に燈夜。
篠塚くんはよく食堂を使ってるみたいだし、燈夜も何回かは使ったことがあるみたいでさくさくメニューを決めていった。
テーブルごとに置かれたタッチパネルでメニューを決めて注文するみたい。俺も見よう見まねでメニューを見る。
よし、今日はパスタにしよう。…これお金はどうやって払うんだろ。2人はどうやって払ったんだろ。
「柊、何にするか決めたか?」
「うん、俺パスタ。これお金ってどうすんの?」
「メニューを選んだら支払い画面にいくから、そこでこっちにカードキーかざして…そうそう、そしたら支払われるから。」
篠塚くんは俺が悩んでたのに気づいてくれたみたいで声をかけてくれた。
篠塚くんが教えてくれるようにカードリーダー的なとこにカードをかざすとぴっと音がしてパネルの画面に支払い完了って出た。へー、便利。
「基本的にはカードキーだけどかざして使えるカードならだいたいは使えるらしいぞ。」
「そうなんだ、いろいろ教えてくれてありがとー。」
「はは、なんでも聞いてくれよな。」
おぼっちゃまならクレジットカードとかも持ってるんだろうしね。
あと購買では現金も使えたけど食堂はカード払いだけらしいから食堂で食べるときはカードキー必須、とか。篠塚くんが親切にいろいろ教えてくれた。……さっき席に座るとき俺が座る直前に椅子とお尻の間に手を入れていたずらされたのは忘れないけどね。
全然気づかないで座っちゃったし。
爽やかスポーツマンなイケメンなのにそういうことするのよくないと思うよ。
「え、生徒会の皆様じゃない!?」
「わっほんとだ!今日もかっこいいー…。」
周りがざわざわし始めたと思ったらざわざわはだんだん大きくなってく。
俺食事は落ち着いてとりたい派なのに。
「なにこれ。」
「あー…生徒会だろ。」
「へあー、親衛隊持ちだっけ。」
次第にわーきゃーと甲高い声も聞こえ始めた。そんな声どっから出してんの?燈夜も眉間にシワが。
「失礼します、お待たせしました。」
「あ、ありがとうございます。」
え、めっちゃいい匂いする。しかもイケメンのウェイターさんが持ってきてくれた。
お礼を言うとにっこり笑顔をかえしてくれた。え、え、爽やか。
しばらくするとお辞儀をして戻って行った。ふぁー…すごい。
「すごいよかったね。」
「なにが?」
「どうかしたか?冷めないうちに食べろよ。」
燈夜はわかってないなもう。篠塚くんに言われたように冷めないうちに食べることにした。
「いただきます。」
食堂は相変わらず騒がしい。
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