ゼロスが反逆者として指名手配された。テセアラに来た神子達をシルヴァラントに帰す手助けをしようとした、らしい。

シルヴァラントの世界再生はまだ為されておらず、その過程で天使化した神子を、元に戻す為にココに来た人達。天使を人間に戻す為なら、シルヴァラントに帰っても何も害は無いと思うのだけれど。一体何が反逆なのか。
教皇は、理由なんてどうでもいいから、とにかくゼロスを失脚させたいんだ。自分がより一層権力者になる為に。くだらない。

「ナマエ様、熱心でございますね」

教皇に対して好ましくない感情を抱いてはいるけれど、私は毎朝を教会で過ごしている。マーテル様を信仰しているわけではない。元々私は教徒ではなかった。
だけど、ゼロスは神子だから。神子の無事を祈るのならば、屋敷よりもどこよりも、此処は最適な場所だろう。



昼下がりの陽光に少し眩暈がした。厳粛な空気に護られていたのが一転し、外の陽射しが容赦なく降り注ぐ。
貴婦人達の笑い声、商人の呼び込み、子供達が駆けて行く音。
早く屋敷に戻って昼食を頂こう。
今は噂話など聞きたくもない。





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