★小話『悪の教典』


(これを銀八でお願いします)





「………」

教壇に立った銀八を生徒達が一斉に見詰める。恐怖と、僅かな期待を持って。

「………」

銀八は教卓に手を付き、特に表情という表情も現さず生徒達の視線を受けていた。
言葉はない。
生徒達は、銀八の言葉を待った。
先生は何を言うのか。これから何を始めるのか。

澱のように重く横たわる静寂。
それを裂いたのは、ショットガンが無造作に教卓に置かれた音だった。

黒く光る銃身に生徒達が息を飲んだ時、沈黙していた銀八が言った。



「今日は、みなさんにこれで殺し合いをしてもらいます」

「…先生、それは違う話です」



銀八は、最近の映画とか、全然観ていなかった。




おわり

(2012/12/18 14:55)



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