★小話『悪の教典』
![](//static.nanos.jp/upload/e/emanon78/mtr/0/0/20121218145310.jpg)
(これを銀八でお願いします)
「………」
教壇に立った銀八を生徒達が一斉に見詰める。恐怖と、僅かな期待を持って。
「………」
銀八は教卓に手を付き、特に表情という表情も現さず生徒達の視線を受けていた。
言葉はない。
生徒達は、銀八の言葉を待った。
先生は何を言うのか。これから何を始めるのか。
澱のように重く横たわる静寂。
それを裂いたのは、ショットガンが無造作に教卓に置かれた音だった。
黒く光る銃身に生徒達が息を飲んだ時、沈黙していた銀八が言った。
「今日は、みなさんにこれで殺し合いをしてもらいます」
「…先生、それは違う話です」
銀八は、最近の映画とか、全然観ていなかった。
おわり
(2012/12/18 14:55)
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