★小話『女体化』

銀さんが女の人になった。
なんでか知らんけど突然なった。
でもなったもんは仕方ないので、僕は、とりあえずあのでかい胸を揉みしだいて子供を2・3人産んでもらおうと思った。
夢は広がった。

銀さんは、瓶の蓋を開ける・重いものを持つ・虫を殺す、などの事が出来なくなった。
僕は、可愛いなあと思って、喜んで代わりにやってやった。
そうするうちに、わけのわからんことで怒るようになり、悟空とルフィを戦わせたらどっちが勝つかみたいな話にのってこなくなり、地図が読めなくなった。
僕は、めんどくさいなあと思ったが、夫というものは妻のいろいろに耐えるのが仕事だと聞いていたので、がんばって耐えた。
でも夢はやはり広がっているので、ある日僕は、銀さんのでかいおっぱいとむちむちな太ももを観賞しながら言った。

「僕は子供はたくさんほしい方です。銀さんを働かせたりなんかしません。だから元気な子をたくさん産んでくださいね」

僕の予想では、銀さんは僕の言葉に目を潤ませて、『うれしい…。幸せにしてね』とか言って、おっぱいを揉ませてくれるはずだった。
しかし銀さんは、急に不機嫌な顔になった。

「それはどういう意味だ。お前、俺を家庭に閉じ込めるつもりか」

と言った。

「えっ…。いや別にそういうことじゃなくて…」

「じゃあどういう意味だ。お前、なんか勘違いしてない?俺を出産マシーンとか、お前の人生を補完するためのアクセサリーだとか思ってんじゃねぇ?俺は経済的にも社会的にも自立した大人なんだよ。お前は俺にそういう自立性を捨てろと迫るのか。ああやだ。なんでそう傲慢なのかなあ。やだやだ、その傲慢に気付かない鈍感さがやだ!」

とか、キイキイ声で喚いた。
うるさかった。
何を言っても聞いちゃくれなさそうな感じだったので、僕は喚く銀さんを適当に宥めようとした。
銀さんは

「なんだ、そのめんどくさそうな態度!そうか、お前は俺をその程度にしか思ってねんだな!」

と、ますますキイキイ言った。
うるさかった。
どうでもいいから黙って乳を揉ませろ、と思った。




また別の日、銀さんはポチタマを見ていた。
前の銀さんなら

「カワイイ。ネコカワイイ。ネコ飼いてー」

とか言うところだ。
僕は、前みたいにカワイイネコの話をして楽しくなろうと、ラブラドルレトリバー(犬)とロシアンブルー(猫)が戯れる映像を見ながら

「カワイイっすね、ネコ」

と言ってみた。
カワイイな。たまんねーな。どっちも抱きしめてぇよ。そして二度と離したくねぇよ。
とか答えてくれると思った銀さんはしかし

「なあ、俺って」

と、言った。
カワイイ犬猫の映像を見てたのに、『俺』の話を始めた銀さんに僕はびっくりした。

「俺って、犬タイプだと思う?猫タイプだと思う?」

と銀さんは言った。

し、…知るか!

と思ったが、そんな事言ったらまたキイキイになるに決まってるので、僕は適当に

「…犬っすかね」

と答えた。
銀さんは

「ええっ!マジで!?猫タイプじゃなくて!?…なあどこが?どこが犬?なんで猫じゃないの?!!」

とか言って、やっぱりキイキイになった。

「いや…よくわかんないですけど。…猫タイプって言われた方がいいんですか」

うんざりした僕が言うと銀さんは

「はあ!?別に猫がいいとか言ってねぇだろ!」

と、やっぱりキイキイ言った。

スーパーめんどくさかった。
なんかもう、でかい乳もむちむちなボディもどうでもよくなった。
そんなもんいらんから、早くおっさんに戻ってくんないかな、と、僕は虚ろな目になって思った。




おわり




おまけ
キツネ化


銀さんに三角耳とふさふさしっぽが生えた。
なんでか知らんけど銀さんはきつねになった。
でも、なったもんは仕方ないので、僕は、銀さんが触ったものは触らないよう神楽ちゃんに指導し、タオル、食器などはすべて別にし、銀さんに触った時は念入りに手洗いをした。

エキノコックス(参考→※札幌市)は、主に北海道のきつねが感染源になる。

銀さんの木刀には洞爺湖と書いてある。






※かわいいからといってキツネを餌づけしたり、呼び寄せたりして手を触れることのないようにしましょう。
死にますよ。




おわり

(2012/12/09 18:17)



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