★小話『ハーレム』

新八はしんみりした表情で言うのだった。

『大きな家や立派な車は要らないんです。
2DKの小さいアパートとかでいいんです。洗濯機はベランダに置くような、木造の古いアパートで、車は軽でいいんです。
慎ましいけどささやかな幸せがあれば僕はそれでいいんです』

『小さなアパートだけど、そこには僕がいて銀さんがいて









一兄がいて
姉上がいて
神楽ちゃん(2年後)がいて
お通ちゃんがいて
きららさんがいて
ももさんがいて

そんなささやかな慎ましい幸せに包まれた生活を僕は送りたいんです』



銀時は
それはささやかな慎ましい生活とはいわはない
と思った。

それはハーレムという
と思った。

思ったが、言っても無駄だと思ったので言わなかった。
あと、当たり前みたいに二次元の人間が中に加えられていて、嫌だなぁ、と思ったが、言っても無駄だと思ったので言わなかった。

でも、なんか言わないといけないような気はしたので
『そう。それはいいね。頑張ってね』
とだけ言った。

新八は嬉しそうに
『頑張りますから僕!』
とか言った。

何を頑張るつもりなのか、嫌だなぁ、と銀時は思ったが、やはり言っても無駄だと思ったので、言わなかった。



(2012-07-16 00:55)







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