真っ赤なポルシェのパー子

『銀さーん!銀さーーーん!』

海に向かって叫ぶわたし
すると、ぶおーんっていう爆音を響かせながら真っ赤なポルシェがわたしの後ろに停まりますねん
真っ赤なポルシェには、真っ赤なルージュを引いたパー子さんが、スカーフをまち子巻きにしてサングラスをかけてトレンチコート着て、乗ってますねん

『あいつならもう、いないわ』

パー子さんはそう言い、カルティエって書いてあるケースから細っい煙草を取り出し火を点けますねん

『ほ、ほんまでっかパー子さん』

『アタシが嘘を言った事があったかしら?…あいつはもう、いないの』

『そ、そんな殺生な』

『そんなつまらない事、早く忘れてしまいなさいな』

『忘れるとか、そんな、でけん!わしには、わしにはでけん!!』

『バカな子。…仕方がないわね。お乗りなさい』



ぶおーんってポルシェを運転するパー子さんは運転しながら言いますねん

『…昔話をしてあげるわ。あるところにバカな女がいたの。女には愛した男がいたわ。女は男と将来を誓い合ったわ。でも、男は死んでしまったの。女はひとりになった…。ひとりになった女は毎日泣いて暮らしたわ。そんな女の前にある日、とびきりステキな男が現れたの。女はどうしたと思う?』

『ど、どうしたんでっか』

『ふふ。女は新しい恋に落ちたの。…女って、残酷よね』

『それは、もしかして昔のパー子さんのお話なんやおまへんか…?』

『どうかしらね。わからないわ。アタシは昔の事なんか、何にも覚えちゃいないもの』
パー子さんはそう言って、憂いを帯びた目で笑いますねん



わたしはパー子さんの横からハンドルを奪い、無理やり車線変更をし、最寄りの賤ヶ岳サービスエリアに入り、ポルシェからパー子さんを引きずり出してトイレに引きずり込み、水をぶっかけ、トイレットペーパーでメイクをこそげ落とし

銀時この野郎!

って言いながらトイレの個室で、まあ、あれ、

犯しますわな

(2012-05-22 02:06)







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