ちいさい銀さん

あーあ。
小さい銀さんがほしい。



ふでばこを開けたら、銀さんがなくなっていた。いつもなら蛍光ペンを抱き枕にして寝ているはずの銀さんがなくなっていた。
私は焦った。どこにやったのだ。落としたのか。
もうすぐ昼だ。昼食を与えなければいけない。米粒とコロッケの衣の屑をシャーペンの先に刺して与えなければいけない。
私は机のまわり、ポケットなどを探した。ない。ユニクロで買った膝掛けもバタバタしてみたが、埃が立っただけだった。
どうしよう。心配だ。飢えているかもしれない。踏まれて、潰れたガムみたいになって床にへばり付いているかもしれない。ハムスターのカゴとかに迷い込んで、ハムスターに犯されているかもしれない。ハムスターを犯しているかもしれない。
私は隣に座る男(24)に言った。
「ねえ、銀さんなくしてんけど…」
男は、またですか、と言った。私が銀さんをなくすのは3回目だ。



…みたいな感じに生活の中に取り入れたい。

(2012-03-28 22:5)







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