リクエスト文(つづきのつづき)
2013/03/19 19:23

「あ、ああ。ん、…や」

「フフ、やだなぁ、そんなに気持ちいいんですか?…もうココこんなになってますよ?」

「ゃ…や、やめ、言わな、ァ」

「…ほんと、だらしない人ですね。でもそーゆーとこも可愛いですよ」

…誰だこれ。
誰なんだよこれ。
僕、こんな事言うかぁ?
………言わねぇ。
絶対言わねぇ。し、思ってもない。

僕はこんな事言わねぇし思ってもねぇし、…それに、こんな事もできねぇよ! 何なんだこの新八君のテクは!僕が今まで想像した事もないような、僕なんかが思い付きもしないような事するんですけど!
僕こと真の新八君のレベルが、中学生が休み時間に『俺バック転できるんだぜ!』って自慢してみせるレベルなら、この新八君´のレベルはシルク・ド・ソレイユか上海雑技団レベルだ。格が違う。

「ほら、ココでしょ」

「ヒ!ァア!…あ!」

挿入されている新八君の指が、信じられない位の的確さで僕の、っていうか銀さんの前立腺を強く突き上げた。指先の小さい面積でそんなとこを突き上げられた僕は、気持ちいい通り越して感電するみたいに痺れる感覚に殆ど叫び声みたいな声を上げていた。
…こんなん、普通なら痛いの域だ。
やめろっつってんだろ痛ってぇんだよ!と、上に乗っかった新八君を蹴り上げたいのに、なのに銀さんの体が『バッカお前、これが気持ちいいんだよお前』とか、僕の意識を巧みに懐柔するのだった。
くっ…、この淫乱めがぁぁぁ。

大体、こんなとこに指なんかが何本も入る事自体がおかしい。間違ってる。
しかし、今、僕が収納されてしまっている銀さんの体はもともと間違ってるのだ。そんな事はとっくの昔から知っている。僕がそれを知らないはずがない。このエロいボディーにある致命的なバグにより生じた間隙から、何度も不正アプリのインストールを試みた事を忘れたとは、とてもじゃないが言える立場じゃない。バカ!僕のバカ!

「き…キツい。は、ぁ…も、キツい…」

何にせよ死ぬ。これ以上なんかされたら死ぬ。
処女である僕は、ヤリマンで淫乱の銀さんの体に収納されてるせいで、普通なら感じる事のないキャパシティを超えた感覚を、地ならしもなくいきなり受け入れさせられているのだった。
そんなん死ぬに決まってんだろ。

しかし、僕を指で犯す新八君は全く容赦なく指の運動を続けた。眼鏡の奥のでかい目を猫のように鋭く細めて、

「何言ってるんですか。まだまだですよ。もっと欲しいんでしょ?」

と、蔑むように言う。

「そ…んな事、ひ、ぃい、い、ぃってな…」

「ヘェ、どうだか」

新八君は冷たく鼻で笑い、

「ここは欲しいって言ってますけど?」

と、作りもんのように整った形で勃起した美形のちんこ、その根元近くの白いファンタスティックな陰毛から反り上がっている始まりあたり、を親指と中指で作った輪っかでギュッと締め上げた。

「ヤ!やぁ!…めて、やめ」

「うっせぇな、やめねぇよ」

「し、しぬ、死ぬからァッ!」

「ふぅん。死ねば?」

ちんこを握り締めながら、その下では指をアナルに突っ込んでガンガンに突き上げている新八君は、冷酷な笑いすら消した無表情で言い捨てた。

き、鬼畜。ド鬼畜。
…もうわかった。さすがにわかった。
違う。こいつは絶対違う。
絶対新八君違う。

「…ねえ、銀さん。優しくして欲しいですか?」

ド鬼畜新八君は無表情のまま言った。

「し、して。優しくして、優しくして欲し、」

僕は、息も絶え絶えでうんうん頷いた。

「じゃあ、ちゃんとお願いして」

「は、ア、…お、ねが?」

「そう、お願いです。どこをどんなふうにして欲しいか、僕にわかるようにちゃんと言ってみて下さいよ」

ちゃんと出来たら、ご褒美に言った通りにしてあげますよ。

そのような気色悪い事を言う口調は冷酷なのに、声音は妙な猫撫で声だった。
…怖い。怖すぎる。我ながら怖すぎる。

そして新八君は、充血しすぎて赤黒く腫れてしまったちんこの先、それも、ほんとの先っぽの割れ目、そのちょっとだけの部分を、堅く尖らせた舌でちろっと舐めた。

「ヒぁッ!」

「ほら言え」

僕は、もうそろそろわけわかんなくなってきていた。
痛いわ苦しいわ気持ちいいわ銀さんの反応がエロいわで、なんかもう限界を越えていた。

「い…イきたい、イきたいよぅ!ァ…お、お願、イかせて、イかせてよ!おね、お願いだからァア!!」

ああ…。さっき厠で似たような事言ったな…。
虚ろにそう思いながらも、そんな台詞を銀さんのマジ声で聞かされて、萎える暇もなかった。エロい。堪らんエロいよ銀さん。

「ァ…ウッ、」

新八君が、出し入れしていた指を丁度前立腺を一番深く突いたところでピタッと止めた。

そして、言った。



「アアン?そんなんじゃわっかんねーなァ?」



その口調。さっきから気になってたけど、その口調…。
その、育ちの悪そうなガラの悪いドS口調…。

何が新八君なもんか。

「大体、口のきき方がなってねぇ。…言い直せ」

言い直せ、と言いながら、新八君はまた口元をクッとひきつらせる獰猛な笑い方をした。
…畜生。ものすごく畜生。
ものすごく畜生だけど、カッケーよ畜生…。

「ハッ、は、離して、ちんこ離して下さいぃッ!」

「離すだけか?」

「ちが、違う…あァ、ヒッ、はな、離すだけじゃなくて」

「どうすんの?ねえねえ、どうすんの『銀さん』?」

醜態を晒す僕の上で、新八君は、ヒヒ、と笑った。


な…何が、『銀さん』だ!!!!


遂にぶっちぎれた僕は、M字にパックリ開いていた膝を曲げて覆い被さる『新八君』の腹を思いきしド突いた。
力があまり入らなかったような気がしたが、しかし銀さんの膝は腐っても銀さんの膝だった。新八君は呻き声を上げて体を折り、蹴られた腹を腕で囲い、踞った。
握られていたちんこ、突かれていた前立腺がいきなり解放され、僕も声を上げて体を丸めた。

「…は、ハッ、はァ」

切れ切れの呼吸を繰り返し、下腹を押さえ、その内部で暴れる何か何とも言えん感覚をやり過ごそうと身を捩る。
捩った拍子にソファから落ちた足の爪先が何かを蹴った。それは、カシャッと音を立てて床を滑る。何だと思って目で追うと、眼鏡だった。
新八君の、僕の本体。それの向こうに、かけ器が踞っている。腹を庇って踞って、前に投げ出した片手が拳を作っている。

「う…」

と、苦しそうな声を漏らして、床に額を擦り付けるようにもがいていた。

しまった、新八君が、僕が。

「し、新八君」

の体。

僕は踞った丸い頭の脇に近寄り、その肩に手を置こうとする。
その手首を、がっ、と掴まれた。

「…やりやがったな」

新八君は苦痛に歪む目元を暗くして僕を睨み上げた。
怒ったらしい新八君の形相にビビった僕は、反射的に掴まれた手首を振り払おうとしたが、固く食い込んだ指は離れない。

「や…やりやがったな、はこっちの台詞です!」

僕は喚いた。新八まるだしの言い方だったがもういい。だってこいつは謎の新八君´でも何でもない。
こいつは、こいつは…。

「あんた、銀さんでしょ!!」

僕の手首を離さない新八君は、銀さんの声で発された僕の言葉を聞くと、新八君ではあり得ないような物凄く悪い顔でニヤッと笑った。
そして、

「…何わけのわかんない事言ってんすか。銀さんはあんたでしょうが」

と、僕の声で言った。



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